アロマオイル は雑貨か化粧品か? 許可は必要なの?

アロマオイル その他
アロマオイル

コロナの騒ぎがあって自宅での優雅な癒しが見直され、日常が回復した後も アロマオイル は徐々に生活に浸透してきたといわれます。リラクゼーションへの関心が高まり、これから近づいてくる冬の訪れもアルマの香りで楽しみな夜になるでしょう。

アロマオイルには大きく二つの種類があります。

厳密には100%天然原料の製品はエッセンシャルオイル(以下、精油)と呼ばれる純粋な王道がありつつも、価格や機能性の面から人工香料、アルコール、他の原材料が加えられたアロマオイルが主流となっています。精油は高価な一方で、それ以外のアロマオイルは安い物から高級品まで大きな幅があります。

この記事の中では、アロマオイルといったときは精油とそれ以外のオイルを区別なく含み、限定するときだけ精油とします。アロマオイルは医薬品医療機器等法(以下、薬機法)の規制にも深く関わり、アロマオイル自体が商品なのか原料なのか、更には目的が香りなのか薬効なのかで扱いが異なります。つまりは、その存在がモノである雑貨なのか、それとも薬品なのか。

アロマオイルは薬機法でどんな種類に該当するのか、その手続きを見ていきましょう。

行政書士が必要に応じて、行政庁への申請手続きをお手伝いします。医薬業の専門家としてこれまでの記事も出しておりますので、ご参考まで。

参考記事:化粧品の輸入や自家製造に必要な申請

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アロマオイル とは何からできてるの

アロマとは、「香り」「芳香」「香気(良い香り)」を意味する言葉です。すっかり日本語に定着しています。ところが、外国由来の言葉にありがちで定義があいまいになっているようです。少し解説や、この記事での定義を書いていきます。

現在知られている精油は1500種類に及ぶが、香料または合成香料原料として利用されるのは代表的な約100種類ほどとも言われる。

大量の植物からわずかしか採れないため、バラ精油のようにかなり高額なものもあります。材料によって収油率が大幅に異なり、花びらのようなバラの場合約5tの花から精油1kgが採取され、収油率は0.02%。キンモクセイはもう少し取りやすいのが普及の理由でもあるでしょう。木でなくともジャスミンなどの草花の香りも多いですね。

他にも一般的な柑橘類は、果実に対して収油率は0.5%程度とされます。

精油はアロマオイルなどと混同され、合成香料を使用して大量生産されるそれらとは一応区別されます。商品としての精油は100%植物由来であり、合成物質の添加、成分調整、アルコール希釈などの加工は行なわれていません。

アロマ とフレグランス

一般的には良い香りがアロマですが、アロマとは植物から抽出した芳香物質、フレグランスは合成的に作られた香料という区分もあります。翻訳語あるあるの、日本的な分類かもしれません。

柔軟剤でもアロマリッチという商品名がありますが、原料が100%天然成分の精油はありえません。アロマという短い響きが好まれたのか、成分だけでなく雰囲気をも含めた意味合いもあったのでしょう。アロマ・セラピーとは、植物の持つ香り凝縮成分である芳香物質を心身の健康や美容に活用することで、ただのセラピー以上に香りが気持ちにまで芳香が浸透しそうです。

アロマオイル とは基本は科学的な合成香料

アロマオイルとは、植物由来の天然香料・精油や合成香料を、他の化合物で希釈した製品を指します。

エッセンシャルオイル(精油)は、100%天然のものです。商品裏のラベルに「精油」「エッセンシャルオイル」と書かれているものは100%天然ということになります。雑貨の場合には原料表示は必ずしも必要とはされません。任意で付いている商品も多いので法的に正しいとは限りません。

アロマオイルは精油を複数ブレンドしたもの、他の化合物を配合したりしたものが該当します。混ざり気の多いアロマオイルの方が様々な製品にも利用されるため市場規模が大きく、その一部にエッセンシャルオイル(精油)が存在するという形になります。

アロマオイルは希釈して他の化粧品の原料となったり、希釈だけして芳香剤として使えます。オリジナルのアロマ化粧品も可能です。

アロマオイル の楽しみ方

雑貨としての機能、芳香剤として専用のアロマグッズを購入しなくても、家にある物でアロマオイルは使えます。

原料として使えば、化粧品にもなります。

アロマ雑貨 として3種の楽しみ方

ディフューザーを使う

アロマ用のグッズとして、よく知られているのがディフューザーです。リビングなど広い部屋でもしっかり香るのは、ミスト状にアロマを散布する電動式のディフューザー。

布につける

ハンカチなどの布にアロマオイルを1~2滴垂らし、そのまま近くに置いておくだけでも、十分香りを楽しむことができます。

お湯に入れる

入浴するときに、浴槽に張ったお湯の中にアロマオイルを数滴入れると、香りでゆったりリラックスできます。

お風呂のお湯にアロマオイルを入れるのは雑貨扱いかどうか、やや議論もありそうです。香りを吸い込むのも多少は人体に影響ありますので、積極的に皮膚に付けるものでなければ大丈夫でしょう。

アロマ化粧品 としての楽しみ方

手作りアロマ化粧水は、原料さえそろっていれば簡単に作れます。個人でもオンラインサイトで簡単に作って売れる環境が整い、また原料も手に入れやすくなりました。化粧品の添加物への関心が向くなか、精油へのこだわりも増えてきているようです。

こうした手作り化粧品は、自分で使用するときには問題ありませんが、販売するには許可が必要になります。

材料

①お好みの精油・・・3滴

②無水エタノール・・・小さじ1(5ml)

③化粧水用グリセリン・・・小さじ1/2(2.5ml)

④精製水(またはフローラルウォーター)・・・100ml

化粧水の作り方

①精油と②無水エタノールを混ぜる。

③グリセリンを入れ、さらに混ぜる。

④精製水を入れて、よく混ぜれば化粧水の出来上がり!

精製水を入れれば化粧水の出来上がり。既製品とは違う自分だけのオリジナルで、自分に合った香りのものを作るのが簡単です。また、防腐剤などを入れないで少量を作ってすぐに使い切るのも健康志向に合っています。

アロマオイル は雑貨?化粧品? 使い方によって規制が異なる

先日訪れたレストランで、オーナーさんがトイレのディフューザーで使っているアロマの香りを説明してくれました。精油をたくさん持っていて、ご自身でブレンドしたオリジナルなアロマが自慢のようです。

お気に入りの方には小分けして販売も可能だとのことで、レストラン以外でも売り上げがあるのだと思いました。この場合には芳香剤としての雑貨扱いですので、ブレンドしたとしても薬機法による製造の許可はともかく、販売の許可は要らないでしょう。

商品区分は、雑貨、化粧品、医薬部外品の3種類が考えられます。

  • 芳香用でアロマポッドなどで香りを空中に散布するだけの場合、「雑貨」扱い
  • 皮膚に塗布して、パッケージなどに効能効果等などが書かれていると「化粧品」か「医薬部外品」扱い

芳香剤としてなら雑貨ですし、皮膚に付けるときは化粧品、更には薬効をつけるときは医薬部外品になります。

アロマオイル が 雑貨 の場合

輸入、製造、販売のどの時点においても薬事法による許可申請は不要です。最も手続きが簡単ですが、元々が肌に付けるものでないために化粧品や医薬品としての効能を宣伝することはできません。

虫よけの防虫剤としても利用されることがありますが、どの程度なら雑貨の範疇化は難しいところです。

また、化粧品などを作る原料の一つにもなるため、原料としての香りの効果や薬効を訴えることがあります。

お香やアロマキャンドルなど、香りを楽しむだけの商品については 輸入・販売に係る許可は必要なく、成分表示の必要もありません。しかしながら、少しでも薬事的な効能・効果をうたう業者は多く、消費者庁から度々指導が入っています。

例えば、コロナが猛威を振るっていた2020年3月に消費者庁が出した是正要請があります。

新型コロナウイルスの感染予防効果をうたっているアロマオイルなど40余りの商品について、根拠が認められないとして表示の是正を求めました。藁にもすがりたい消費者心理を利用したものですが、これ以外にも日常的にリラックス効果、美容効果なども頻繁に過大広告との指摘を受けています。

参考ニュース:「根拠ない」“感染予防効果”表示 40余りに是正要請 消費者庁 | NHKニュース

被害はお金を損する程度ですが、国の審査の充実を望みつつも、化粧などで皮膚や人体に影響が出ないか消費者も慎重に製品を選択するしかありません。

アロマオイル が 化粧品 の場合

芳香剤として顧客向けに販売する場合ならば雑貨扱いで許可は不要ですが、アロママッサージ等で皮膚に塗るようなオイルを販売するとなれば、少しは薬機法を意識した方がいいでしょう。

2021年時点での薬機法における化粧品の定義とは、以下の3つです。

  • 人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変える
  • 又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用される
  • 人体に対する作用が緩和的なもの

よって、皮膚や毛髪を健やかに保つために身体にアロマオイルを使用する場合は「化粧品」として、容器に決められた内容を記載することが必要です。

化粧品としての範疇を超える効能効果に言及した広告は禁止されています。

例を挙げると「アロマで肌の疲れを回復」「エッセンシャルオイルが肌の血行を促進」などの表現などは医薬部外品もしくは医薬品薬機法違反とみなされる可能性が高いです。

化粧品を国内で製造(包装・表示・保管のみを行う場合を含む)するためには、「化粧品製造業者」の許可が必要です。

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さらに、「化粧品製造販売業者」は、製品を市場に出荷(卸売業者や消費者に販売・賃貸・授与)するための許可を持っています。そして、国内で販売される化粧品は、「化粧品製造販売業者」の名称が商品に記載されている必要があります。

化粧品は、「薬機法」にて規制されているため、国内製造又は輸入した化粧品を販売・授与するための許可が必要となります。医薬品ではないけれど、最も審査の緩い許可になります。

参考記事:化粧品製造販売業許可 申請代行は 行政書士に

アロマオイル が 医薬部外品 の場合

医薬部外品 とは、「医薬品」に当たらない「部外」品を指します。

医薬品に準ずるものとして取り扱いに十分な注意が必要で、人体に対する作用が緩和された薬品等で、機械器具等でないものを指します。したがって、医薬品、化粧品とも類似した許可の制度になります。具体的には、塗り薬や一般的な飲み薬が該当します。

参考記事:医薬部外品 の 許可申請 は 行政書士 にお任せを

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法律の専門家である行政書士にご相談ください

皮膚に塗る アロマオイル の製造販売は 薬機法の許可申請は行政書士へ

アロマオイルを製造、販売する方に向けたチェックと準備を記事にしました。これまでも薬機法に関する記事を多数作成しましたので、具体的な商品ごとに事例を挙げて取り上げていきます。アロマオイルは商品としてもそのまま使ったり、他の商品の原料となったりとすそ野の広い商品です。石鹸と同じくらい手軽で、初めて販売してみようか、という方が多い分野でしょう。

芳香剤としてのアロマオイルであれば雑貨扱いとなって薬機法は絡みません。香りを楽しむ商品として、普通のインテリアグッズと同じく販売ができます。ところが、アロマオイルは肌に塗って使うこともでき、その時は化粧品や医薬品の一種とみなされます。

過去に手作り石けんの記事を書いていますので、参考にお読みください。人の身体を清潔にしたり美化したりするものは薬機法上の「化粧品」に該当しますので、石鹸は香りを楽しむ目的とはいえ、手に触れる以上は厳密には化粧品、医薬部外品となる可能性が高いです。芳香剤代わりの石鹸であっても、主たる目的が洗浄であれば雑貨とは言い逃れしにくいです。

参考記事:オーガニックの 手作り化粧品 なら、無許可販売でも大丈夫?

今回の記事では、アロマオイルがどういった場合なら雑貨なのか、違うときは許可を取るのにどうすべきかをお伝えしました。化粧品となると、製造においても、販売においても許可が必要になり、医薬部外品であっても必要な許可の内容はほぼ同じです。化粧品も医薬部外品も、医薬品よりも効果が緩慢な薬です。

イベント等で小規模に対面で販売するだけでなく、ネットを通じて簡単に自作商品が扱えるようになりました。その手軽さに比べると、許可の手続き等は非常に煩雑ではありますが、あくまで人体に触れる、体に取り込まれる商品ですので慎重さが求められます。複雑な手続きであっても、行政書士にお任せいただければ、製品の開発や販路拡大に専念いただけます。

化粧品や医薬部外品は販売には規制がありませんので、雑貨と同じく扱えます。これは、ネットでの販売が大きく緩和されてきた医薬品の販売とは異なるところです。でしたが、今後さらに医薬品のネット販売が拡大するにつれて、こうしたアロマオイルなどの製品も市場規模を伸ばしてくる可能性があります。そうした知名度を持った人気商品を世に出そうと意気込んでおられる事業者様は、薬機法に精通して、開業の経験も豊富な行政書士をご利用ください。

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参考記事:会社設立 ~ 株式会社設立

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