日本国内において、古物商間の古物の売買又は交換のための市場を経営するには、 古物市場主 許可が必要です。
古物市場主 とは?
古物商の方々だけの間で古物の売買や交換するための市場として、古物市場があります。公安委員会の許可を受けて、この古物市場を営む者を古物市場主といいます。
古物営業法の2条2項には「1号」、「2号」、「3号」の記載があり、古物市場を経営する営業の説明が2号にあります。そのため、古物市場主の事を2号営業ともいいます。この許可の事を2号営業許可ともいいます。法令的に正しい用語は、古物市場主です。
ちなみに、1号営業とは一般的な古物商、3号営業とは古物競りあっせん業者(インターネットオークションサイト業者)です。
古物市場主 許可 は 行政書士 へ! と言いたいところですが、営業所を管轄する警察署へ申請書を持参する、そして、許可証を受け取るという物理的な負担がございます。この点については、整った書類をご近所に持って行くということが中心ですので、ご自身で警察署に出向かれることをおすすめします。
それでは、かんたんに 古物市場主 許可 についてまとめます。ご参考になれば幸いです。
古物市場主 許可申請の流れ
古物市場主 許可申請 の流れをご説明いたします。
条件の確認
古物市場主 許可の取得条件を確認しましょう。以下に当てはまる方は、古物市場主許可を取ることができません。 (古物営業法第4条)
- 破産手続開始の決定を受けて復権してない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、または古物営業法第31条に規定する罪(無許可営業)、刑法第235条(窃盗)、第247条(背任)、第254条(遺失物等横領)、第256条第2項(親族等の間の犯罪)に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることのなくなつた日から起算して5年を経過しない者
- 集団的に、または常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)による命令または指示を受けた日から起算して3年を経過しない者
- 住居の定まらない者
- 古物営業法第24条により 営業許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
- 古物営業法第24条による許可の取消しに係る聴聞の期日が公示された日から当該取消しをする日または当該取消しをしないことを決定する日までの間に許可証の返納をした者で、当該返納の日から起算して5年を経過しない者
- 心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定める者
- 未成年者
- 営業所ごとに管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
- 法人で、その役員のうちに1.~8.までのいずれかに該当する者があるもの
なかなか物々しい許可取得条件ですが、身に覚えのある人はわかるかと思います。
法人の役員に犯罪歴がありますと、申請してから不許可となることがあります。役員に問題が有るか無いかは、役員選任時に確認しておきましょう。
取り扱う古物の品目
古物商を行う上で取り扱う品目を決めます。
品目は13品目あり、必ずメインを1つ選択します。
ほかにも取り扱う品目があれば何種類でも選択することができます。
古物の13品目
- 美術品類 (絵画・骨董品など)
- 衣類(洋服・古着・着物・子供服など)
- 時計・宝飾品類(時計・宝石など)
- 自動車(四輪自動車・タイヤ・カーナビ・部品など)
- 自動二輪車・原付(バイク・タイヤ・部品など)
- 自転車類(自転車・タイヤ・部品など)
- 写真機類(カメラ・レンズ・ビデオカメラ・双眼鏡など)
- 事務機器類(パソコン・コピー機・ファックス・シュレッダー・電話機など)
- 機械工具類(工作機械・土木機械・医療機器類・工具など)
- 道具類(家具・スポーツ用品・CD・DVD・レコード・ゲームソフト・おもちゃなど)
- 皮革・ゴム製品類(バッグ・靴・毛皮など)
- 書籍(文庫・コミック・雑誌など)
- 金券類(商品券・航空券・株主優待券など)
営業所管理者って?
古物市場主は、営業所ごとに、当該営業所に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者1人を選任しなければなりません。
古物市場主許可の要件を満たしてない者は、やはり、営業所管理者になることもできません。
(古物営業法第13条)
営業所自体の条件はありません。
賃貸物件など他人が所有している物件を営業所にする際は、使用承諾書が必要になるケースもあり、申請のハードルが高くなるので注意が必要です。賃貸住宅などの場合、居住することが目的のため営業所にすることは厳しくなる可能性があります。
古物市場主 許可申請書を作成
以上の準備が整ったら、古物市場主許可申請書を作成します。書式は、管轄の警察署のWEBサイトからダウンロードできます。
記載事項
- 氏名または名称(法人の場合は代表者の氏名も)
- 住所または居所
- 主たる営業所の名称・所在地
- 営業所ごとに取り扱おうとする古物の品目
- 営業所の管理者の氏名・住所
- 行商をしようとする者であるかどうかの別
- インターネットでの取引をするかどうかの別
- (インターネットでの取引をする場合)URL(送信元識別符号)
- (法人の場合)役員の氏名・住所
古物市場主 許可申請のための 必要書類
個人許可申請の場合
- 略歴書(本人・営業所管理者)
- 住民票の写し(本人・営業所管理者)(本籍記載)
- 誓約書 (本人・営業所管理者) 要署名
- 身分証明書 (本人・営業所管理者)(本籍地の市区役所で取得・外国人の場合は不要)
- URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ)
法人許可申請の場合
- 法人の定款
- 法人の登記事項証明書
- 略歴書(役員全員・営業所管理者)
- 住民票の写し(役員全員・営業所管理者)(本籍記載)
- 誓約書 (役員全員・営業所管理者)
- 身分証明書 (役員全員・営業所管理者) (本籍地の市区役所で取得・外国人の場合は不要)
- URLの使用権限があることを疎明する資料(該当する営業形態のみ)
参考)警視庁:古物営業
古物市場主 略歴書 の書き方
直近5年分の経歴を記載してください。
虚偽記載の場合は、古物商許可が取り消される可能性がございます。
登記されていないことの証明書
かつては、 登記されていないことの証明書も必要書類でしたが、2019年12月14日の法改正により提出書類ではなくなりました。東京法務局へ請求するため、時間がかかるものでした。
いまは、本籍地での身分証明書取得に時間を要することとなります。もちろん、郵送で申請することも出来ます。
URLの使用権限を証明する資料 とは?
URLの使用権限を証明する資料 については、下記ご参照ください。
参考記事:古物商許可必要書類 URLの使用権限を証明する資料 とは?
古物市場主 許可手数料
古物市場主許可申請にあたっては、警察署にて 手数料 19,000円 を納めます。
古物市場主 許可 標準処理期間
古物市場主許可 がおりるまでの 標準処理期間 は40日(休日除く)とされています。
古物市場主許可をとらないと罰せられます。
古物市場主許可をとらない無許可営業は、罰せられます。
3年以下の懲役、または、100万円以下の罰金
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
一 第3条の規定に違反して許可を受けないで第2条第2項第1号又は第2号に掲げる営業を営んだ者
古物営業法 第31条
ハンコ不要は 古物市場主 許可申請へも
昨今のハンコ不要への改革の中で、申請書へハンコ押印が不要になりました。
ハンコが要らないぶん、代理人の行政書士は手数が減ってよくなったともいえます。
現状、お客様の近くの警察署にて手続することが代理人行政書士の最大の事務負担ですので、そこを勘案してお見積りを提示いたします。
古物市場主 業者数
古物商および古物市場主の令和4年末における許可件数は、48万4,178件で、前年比4万2,433件の増加となっています。
古物商等の許可件数の推移(平成25年~令和4年)
参考:警察庁「令和4年中における 古物営業・質屋営業の概況」
このうち、いくつかの古物市場主さまからの許可申請のご依頼をお待ちしております。
まずはお見積もりから!