日本国内で製造された医薬品や医療機器などを海外に輸出する際、 輸出証明書 は不可欠な書類となります。この証明書は、製品が日本国内で適法に製造され、品質や安全性が国際基準を満たしていることを証明するものです。輸出証明書はあくまでも日本政府の文書ですので、アポスティーユや領事認証により、相手国に向けての証明度を高める必要もあります。輸出証明書がなければ、輸出先国での通関手続きや販売許可が遅延する可能性があり、ビジネスに大きな影響を与えることになります。
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輸出証明書 とは
輸出証明書 について
輸出証明書は、日本国内で製造された製品が国際基準に適合していることを証明する公式な書類です。特に、医薬品や医療機器、食品などの分野において、輸出証明書は製品の品質、安全性、有効性を保証するために不可欠な書類となります。この証明書があることで、輸出先国の規制当局が製品の信頼性を確認でき、通関手続きや販売許可の取得が円滑に進むようになります。
医薬品分野における、輸出証明書は、正式にはGMP(Good Manufacturing Practice)適合証明といわれます。輸出相手国からGMP適合証明を求められる場合があります。医薬品の輸出入は、自国民の健康を守ることが各国の薬務行政の課題であるため、どの国でも輸出より輸入規制が厳しくなっています。
医薬品等製造業者等が医薬品等を外国に輸出する際に、相手国政府から、我が国の医薬品医療機器法に基づいて製造されているかなどについて、厚生労働省発行の証明書の要求があった場合、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA : Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)が、その内容について確認調査を行っています。
化粧品に関する証明の手続きは日本化粧品工業会
医療機器に関する証明の手続きは特定非営利活動法人海外医療機器技術協力会(OMETA)が行います。
輸出証明書 発行手続き
輸出用医薬品、輸出用医療機器等の証明書の発給についてをまとめました。
輸出先国等の要求に応じ、輸出される医薬品、医薬部外品、医療機器、体外診断用医薬品又は再生医療等製品が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の規定に基づき製造されたものである旨等の証明書の発給手続について、
申請者は、PMDAに証明内容の確認を依頼することとし、厚生労働省宛ての証明書発給の申請は、証明書発給申請書及び証明書用紙に、承認・添付文書等証明確認調査申請書及び添付書類を添えて、PMDAに提出することにより行う。
輸出証明書 取得が必要な場面
輸出証明書の取得が必要な場面はいくつかありますが、特に以下の場合が代表的です。
- 新しい市場への進出:
新しい国や地域に製品を輸出する際、その国の規制当局が輸出証明書を求めることが多いです。これにより、製品の品質と安全性を保証することができます。 - 規制の変更:
輸出先国の規制が変更された場合、新しい規制に適合するために輸出証明書の取得が必要になることがあります。特に医薬品や医療機器の場合、規制の変更は頻繁に行われるため、最新の輸出証明書が必要です。 - 製品のリニューアル:
製品の成分や製造方法に変更が加えられた場合、新しい輸出証明書が必要です。これは、輸出先国の規制当局が新しい製品仕様に基づいて安全性と品質を確認するためです。 - トラブル対応:
製品の品質や安全性に関するトラブルが発生した場合、その問題を解決し再輸出する際に、新しい輸出証明書が必要になることがあります。これにより、製品の改善点を明示し、輸出先国の信頼を回復することができます。
輸出証明書 見本
輸出証明書 【GMP(Good Manufacturing Practice)適合証明】 には下記の記載がなされます。
- 製造業者の氏名(名称)
- 製造業者の住所(所在地)
- 医薬品及び医薬部外品
- (医薬品・医薬部外品GMP省令)
- 製造所の名称
- 製造所の所在地
- 製品名
- 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長の名前(英語版)
参考:PMDA
行政書士の役割
輸出証明書の取得プロセスは、専門知識と経験を要する複雑な手続きが伴います。ここで、行政書士の役割が重要となります。行政書士は、法令に基づいて公的書類の作成や手続きを代行する専門家です。輸出証明書の取得においても、行政書士が申請書類の準備や申請手続きのサポートを行うことで、企業の負担を軽減し、手続きの迅速化を図ることができます。
さらに、輸出証明書にはアポスティーユや領事認証が必要な場合が多く、これらの手続きも行政書士が代行することが可能です。アポスティーユや領事認証の取得には、特定の手続きや書類の準備が必要であり、これらを一括して行政書士に依頼することで、手続きの正確性と効率性を高めることができます。
公印確認 、 アポスティーユ とは?
どちらも日本の官公庁、自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明です。
外国での各種手続きのために日本の公文書を海外に提出する場合が多いです。
公印確認は、公的及び私的文書に対する外務省や駐日大使館による証明であり、アポスティーユは、ハーグ条約の加盟国間に対しては、公的な書類に限り日本の外務省が駐日大使館の証明の業務を代行しているという区別があります。
公印確認
日本にある外国の大使館・(総)領事館の領事による認証(=領事認証)を取得するために事前に必要となる外務省の証明のことです。
外務省では公文書上に押印されている公印についてその公文書上に証明を行っています。外務省で公印確認を受けた後は必ず日本にある外国の大使館・(総)領事館の領事認証を取得して下さい。
外務省における公印確認は、その後の駐日外国大使館・(総)領事館での領事認証が必要となる証明ですので、必ず駐日外国領事による認証を受けてから提出国関係機関へ提出して下さい。
アポスティーユ
「外国公文書の認証を不要とする条約(略称:認証不要条約)」(1961年10月5日のハーグ条約)に基づく付箋(=アポスティーユ)による外務省の証明のことです。提出先国はハーグ条約締約国のみです。
アポスティーユを取得すると、日本にある大使館・(総)領事館の領事認証があるものと同等のものとして、提出先国で使用することができます。
提出先国がハーグ条約(認証不要条約)の締約国であっても、領事認証が必要となり、公印確認を求められる場合があります。事前に提出先または日本にある提出先国の大使館・(総)領事館にご確認ください。
ハーグ条約に加入していない国へ提出する公文書の証明は全て公印確認となります。
最近では、中国でも2023年3月8日にハーグ条約が締結されて、2023年11月7日より領事認証が不要となりました。近隣では、ベトナム等が非加盟です。
参考記事:中国 領事認証
厚生労働省発行 輸出証明書 に対する アポスティーユ 取得方法
申請手続きの流れ
- 申請書類の準備:
まず、輸出証明書に対するアポスティーユまたは領事認証を取得するために、必要な申請書類を準備します。これには、輸出証明書の原本やそのコピー、申請者の身分証明書、申請書などが含まれます。 - 書類の提出:
準備した書類を外務省または関係機関に提出します。アポスティーユの場合は外務省に直接申請し、領事認証の場合は外務省を経て該当する外国の大使館や領事館に申請します。 - 手数料の支払い:
申請には手数料が発生します。手数料は申請書類とともに支払う必要があります。 - 審査と認証:
提出された書類は審査され、適正と認められればアポスティーユまたは領事認証が付与されます。このプロセスには通常数日から数週間かかることがあります。 - 証明書の受け取り:
認証が完了すると、申請者に証明書が返送されます。
郵送で受け取る場合は、送付先の住所を正確に記載する必要があります。
注意点とコツ
- 申請書類の正確性:
提出する書類はすべて正確かつ完全であることが求められます。不備があると審査が遅れる原因となりますので、書類の内容を十分に確認してください。 - 手続き期間の確認:
認証手続きには時間がかかるため、余裕を持って申請することが重要です。特に輸出のスケジュールに合わせて、手続き期間を逆算して準備を進めてください。 - 手数料の準備:
手数料の支払い方法や金額を事前に確認し、適切な方法で支払いを行います。支払い方法が限定されている場合もあるため、注意が必要です。 - 行政書士の活用:
手続きが煩雑な場合や初めて申請する場合は、行政書士のサポートを利用することをお勧めします。専門家の助言を受けることで、手続きがスムーズに進み、認証取得の成功率が高まります。 - 最新情報の確認:
外務省や大使館のウェブサイトで最新の手続き情報や必要書類の変更を確認することが重要です。手続きに関する情報は随時更新されるため、最新情報を基に準備を進めてください。
行政書士の代行サービスのメリット
行政書士に依頼するメリット
時間と手間の節約
輸出証明書に対するアポスティーユや領事認証の取得には、煩雑な手続きや多くの書類準備が伴います。これらのプロセスを一人で行う場合、多くの時間と労力が必要です。特に、初めて手続きを行う場合は、必要な書類や申請方法を理解するだけでも相当な時間を要します。
行政書士に代行を依頼することで、これらの手続きに費やす時間と手間を大幅に削減できます。行政書士は、申請書類の準備から提出、受け取りまで一貫してサポートしてくれるため、企業や個人は本来の業務に専念できるようになります。
専門知識と経験によるサポート
行政書士は、法的手続きや公文書の取り扱いに関する専門知識と経験を持っています。これにより、書類の正確な準備や申請手続きの進行をスムーズに行うことができます。特に、輸出証明書に対するアポスティーユや領事認証の取得には、特定の知識が必要となるため、専門家のサポートは非常に有益です。
行政書士は、最新の法規制や手続き要件を把握しており、これに基づいて適切なアドバイスを提供します。また、過去の経験に基づいて、よくある問題やトラブルを事前に回避するための提案も行います。
トラブル回避
輸出証明書の取得手続きには、申請書類の不備や誤り、手続きの遅延などのリスクが伴います。これらのトラブルが発生すると、輸出のスケジュールが遅れたり、追加の費用が発生したりする可能性があります。行政書士に依頼することで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。
行政書士は、書類の正確な記入や必要な添付書類の確認を徹底的に行い、不備や誤りを未然に防ぎます。また、申請手続きの進行状況を適切に管理し、必要に応じて迅速な対応を行うことで、トラブルの発生を防ぎます。さらに、トラブルが発生した場合でも、行政書士の専門知識と経験により迅速に問題を解決し、手続きの遅延を最小限に抑えることができます。
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