倉庫業登録 完全ガイド:許可要件から手続きまで行政書士が徹底解説

倉庫業登録 建設業/不動産関連
倉庫業登録

倉庫業は、物品の安全な保管を提供する重要なサービス業です。物流業界において、その役割はますます重要性を増しています。しかし、倉庫業を営むためには法的な許可が必要であり、その手続きは複雑です。この記事では、 倉庫業登録 の基本的な定義から、登録要件、具体的な手続きまでを詳しく解説します。また、行政書士がどのようにこのプロセスを支援できるかについても説明します。

倉庫業を始める方や既に運営している方にとって、有益な情報を提供することを目的としています。

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倉庫業の定義と必要性

倉庫業の基本的な定義

倉庫業とは、寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業です。古くは倉庫業というと保管のみを指しましたが、現在では保管の為の流通加工、梱包等の作業工程全般を含みます。

 この法律で「倉庫」とは、物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作物又は物品の滅失若しくは損傷を防止するための工作を施した土地若しくは水面であつて、物品の保管の用に供するものをいう。

2 この法律で「倉庫業」とは、寄託を受けた物品の倉庫における保管(保護預りその他の他の営業に付随して行われる保管又は携帯品の一時預りその他の比較的短期間に限り行われる保管であつて、保管する物品の種類、保管の態様、保管期間等からみて第六条第一項第四号の基準に適合する施設又は設備を有する倉庫において行うことが必要でないと認められるものとして政令で定めるものを除く。)を行う営業をいう。

3 この法律で「トランクルーム」とは、その全部又は一部を寄託を受けた個人(事業として又は事業のために寄託契約の当事者となる場合におけるものを除く。以下「消費者」という。)の物品の保管の用に供する倉庫をいう。

倉庫業法 第2条

倉庫業法で定める倉庫を、「営業倉庫」と称して、倉庫業に該当しない倉庫と区別することもあります。

参考までに倉庫業に該当しない事例をご紹介します。

  • 賃貸借契約によって、場所を貸すだけの契約(貨物に対する保管責任を負わない)
  • 業務委託契約等で庫内作業を請け負うのみで、貨物に対する保管責任を負わない
  • 動物の保管、遺体安置、電子データの保管
  • 駐輪場・駐車場、コインロッカー
  • 銀行の貸金庫
  • 主たる業務に付帯する従たる業務(クリーニング品保管、電気製品修理の為の保管)

倉庫業の役割とその重要性

倉庫業は、物流チェーンの中核を担い、商品の流通と在庫管理を効率的に行うための重要な役割を果たします。特に、Eコマースの拡大に伴い、迅速かつ正確な物流サービスの提供が求められています。適切な倉庫業務は、企業の物流コストを削減し、顧客満足度を向上させるために不可欠です。

倉庫業に関する法律の概要(倉庫業法)

倉庫業法は、倉庫業の運営基準や登録要件を規定しています。法の目的は、倉庫業の適正な運営を確保し、物品の安全な保管と公正な取引を促進することです。具体的には、倉庫の設備や管理体制、保険の加入義務などが定められており、倉庫業者はこれらの基準を満たす必要があります。

倉庫業の登録には、複数の手続きや書類提出が必要であり、専門的な知識が求められます。このため、行政書士のサポートを受けることが、スムーズな登録手続きの進行に役立ちます。

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次の章では、具体的な許可要件について詳しく説明します。

倉庫業登録 の要件

倉庫業登録 の基本要件

倉庫業を営むためには、国土交通大臣の許可が必要です。

 倉庫業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない。

倉庫業法 第3条

 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 倉庫の所在地
三 国土交通省令で定める倉庫の種類(トランクルームを含み、以下「倉庫の種類」という。)
四 倉庫の施設及び設備
五 保管する物品の種類
六 その他国土交通省令で定める事項

2 前項の申請書には、倉庫の図面その他国土交通省令で定める書類を添附しなければならない。

倉庫業法 第4条

 国土交通大臣は、前条の規定による登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を倉庫業者登録簿(「登録簿」)に登録しなければならない。
一 前条第1項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号

2 国土交通大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
3 国土交通大臣は、登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

倉庫業法 第5条

登録倉庫事業者は、国土交通省のサイトで確認できます。

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倉庫の構造や設備に関する基準

倉庫業法 第4条で定める倉庫の種類は、倉庫業法施行規則第3条によれば、次の通りです。

  1. 一類倉庫
  2. 二類倉庫
  3. 三類倉庫
  4. 野積倉庫
  5. 水面倉庫
  6. 貯蔵槽倉庫
  7. 危険品倉庫
  8. 冷蔵倉庫
  9. トランクルーム
  10. 特別の倉庫

いろいろありますが、基本は一類倉庫です。

一類倉庫に係る施設設備基準についてをここではご紹介します。
倉庫業法施行規則第3条の3、および、4によれば、次の通りです。

  • 使用権原 申請者が、その営業に使用する倉庫及びその敷地について所有権その他の使用権原を有すること。
  • 関係法令適合性 倉庫の種類ごとに国土交通大臣の定める建築基準法その他の法令の規定に適合していること。
  • 土地定着性 土地に定着し、かつ、屋根及び周囲に壁を有する工作物であること。
  • 外壁、床の強度 軸組み、外壁又は荷ずり及び床の強度が、国土交通大臣の定める基準に適合していること。
  • 防水性能 構造及び設備が、倉庫内への水の浸透を防止するに足るものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること。
  • 防湿性能 土地からの水分の浸透及び床面の結露を防ぐため、床に国土交通大臣の定める防湿措置が講じられていること。
  • 遮熱性能 国土交通大臣の定める遮熱措置が講じられていること。
  • 耐火性能 倉庫の設けられている建物が、耐火性能又は防火性能を有するものとして国土交通大臣の定める基準に適合していること。
  • 災害防止措置 危険物等を取り扱う施設その他の国土交通大臣の定める施設に近接する倉庫にあつては、国土交通大臣の定める災害防止上有効な構造又は設備を有すること。
  • 防火区画 倉庫の設けられている建物内に事務所、住宅、商店等の火気を使用する施設又は危険物等を取り扱う施設が設けられている場合にあつては、当該施設が、国土交通大臣の定めるところにより区画されていること。
  • 消火設備 消火器等の消火器具が設けられていること。
  • 防犯措置 国土交通大臣の定める防犯上有効な構造及び設備を有していること。
  • 防鼠措置 国土交通大臣の定めるそ害の防止上有効な設備を有していること。
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管理体制に関する基準

倉庫ごとに、倉庫管理主任者を選任しなければなりません。

 倉庫業者は、倉庫ごとに、管理すべき倉庫の規模その他の国土交通省令で定める基準に従つて、倉庫の適切な管理に必要な知識及び能力を有するものとして国土交通省令で定める要件を備える倉庫管理主任者を選任して、倉庫における火災の防止その他の国土交通省令で定める倉庫の管理に関する業務を行わせなければならない。

倉庫業法 第11条

倉庫管理主任者の要件は以下の通りです。

  • 倉庫の管理業務2年以上の指導監督の実務経験
  • 現場従業員として倉庫の管理業務3年以上の実務経験
  • 国土交通大臣の定める倉庫の管理の講習を修了した者

新規に倉庫を開業する場合、実務経験のある人は少ないので、倉庫管理主任者講習を受けることとなります。ただ、講習の頻度が少ないため、申込が大変なのが実情です。倉庫業登録を検討している事業者様は、まずは倉庫管理主任者講習の予約をしましょう。

参考:一般社団法人日本倉庫協会

倉庫業登録 手続き

必要な申請書類とその準備

倉庫業の登録申請にあたって重要なのは施設設備基準を満たしていることを示すことです。

使用権原 登記簿謄本、(賃借の場合)賃貸借契約書

関係法令適合性 確認済証(建築確認申請書の1面から5面を必ず添付)・検査済証、高圧ガス製造許可書
確認申請の用途の欄のコード番号が”08510(倉庫業を営む倉庫)”でなければならず、”08520(倉庫業を営まない倉庫)”では原則として申請を受けられません。
完了検査済証のない建築物は建築基準法(第7条)違反であるので申請を受けることができません。

土地定着性 立面図

外壁、床の強度 確認済証、立面図、矩計図

防水性能 矩計図

防湿性能 矩計図

遮熱性能 確認済証

耐火性能 確認済証

災害防止措置 倉庫の配置図。倉庫、事務所、労務員詰所、消火栓、外灯等敷地内にあるすべての施設及び設備の状況を明示。敷地周辺に所在するすべての建物(民家、ガソリンスタンド等種類を明示)そ
の他道路、河川、橋梁等を明示。

防火区画 平面図、矩計図

消火設備 消防用設備等検査済証

防犯措置 建具表、警備契約書

防鼠措置 平面図、矩計図、建具表

主要な図面の注意点

平面図
ラックの位置、はいつけ場所、消火器、通報機(冷蔵倉庫)、防護措置(野積倉庫、水面倉庫、危険物倉庫(屋外))、照明措置(野積倉庫、水面倉庫、危険物倉庫(屋外))などを色分け明示。

矩計図
屋根を構成している構造材の材質及び寸法、防火・防水等諸措置などの詳細を明示。
外壁を構成している構造材の材質及び寸法、防火・防水等諸措置、胴縁・間柱間隔などの詳細を明示。
荷ずりがある場合は、材質及び寸法などの詳細を明示。
床を構成している構造材の材質及び寸法、防火・防水等諸措置、仕上げなどの詳細を明示。
軸組みの工法、材質及び寸法などの詳細を明示。

建具表
建具の材質及び寸法、防犯・防鼠・防水等諸措置、形状・強度等の仕様、防火設備であるかどうかなどの詳細を明示。
建具の位置を明示。

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倉庫業登録までの期間

登録申請書類が受理されてからの書類審査期間は2ヶ月ですが、事前相談のプロセスがあります。実際には、3~5ヶ月を要します。

もちろん、倉庫管理主任者講習が受講できてなければさらに時間が必要となります。

審査が完了し、許可が下りると、倉庫業を正式に開始することができます。手続きの進行をスムーズにするためには、行政書士のサポートを受けることが有効です。

倉庫業登録後の義務

登録免許税の納付
納付書に基づき9万円を納付

料金の届出
30日以内に届出

 倉庫業者は、その営業に係る倉庫保管料及び倉庫荷役料その他の営業に関する料金を定め又は変更したときは、料金の設定又は変更後30日以内に、次に掲げる事項を記載した倉庫料金届出書を、国土交通大臣が登録の権限を有する倉庫業に係る場合にあつては国土交通大臣に、地方運輸局長が登録の権限を有する倉庫業に係る場合にあつては当該料金の適用される倉庫の所在地を管轄する地方運輸局長に提出しなければならない。
一 氏名等
二 料金の種別、額及び適用方法
三 設定又は変更に係る料金の施行日

 倉庫業法施行規則 第24条

期末倉庫使用状況報告書の報告
当該四半期経過後30日以内に提出

受寄物入出庫高及び保管残高報告書の報告
当該四半期経過後30日以内に提出

倉庫寄託約款等の掲示
営業所には、消費者から収受する保管料、倉庫の種類、冷蔵倉庫の場合の保管温度などは、利用者に見やすいように掲示しなければなりません。

差別的取扱の禁止
特定の利用者に対して不当な差別的取扱をしてはなりません。

倉庫の施設及び設備の維持
施設設備基準に適合するように維持しなければなりません。

火災保険に付する義務
倉荷証券を発行する場合には、受寄物を火災保険に付さなければなりません。

名義利用等の禁止
名義を他人に倉庫業のため利用させてはなりません。また、倉庫業を他人に経営させてはなりません。

名称の使用制限
認定を受けたトランクルーム以外の倉庫において、認定トランクルーム若しくは優良トランクルームという名称又はこれらと紛らわしい名称を用いてはなりません。

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倉庫業登録 における行政書士の役割

倉庫業登録における行政書士のサポート内容

倉庫業登録は多くの書類作成や手続きを伴い、専門的な知識が求められます。行政書士は、以下のようなサポートを提供します。

書類作成の代行
複雑な申請書類や添付書類の作成を支援します。

書類の確認と提出
書類に不備がないか確認し、適切な提出先に提出します。

申請手続きの進行管理
申請から許可取得までの進行を管理し、スムーズな手続きをサポートします。

行政書士に依頼するメリット

専門知識の活用
行政書士の専門知識により、手続きが迅速かつ確実に進行します。

時間と労力の節約
複雑な手続きを代行することで、申請者の負担を軽減します。

トラブルの防止
書類の不備や申請手続きの誤りを防ぐことで、許可取得までのトラブルを最小限に抑えます。

行政書士が提供する具体的なサービス

会社設立 も 行政書士にご依頼ください

倉庫業開業にあたって、法人設立を検討される方も多いです。

当サイト 申請ALL.com は倉庫業登録申請のみならず、会社設立や資金調達、契約書等の書類の作成なども対応いたします。

参考記事:会社設立 いろいろな種類の中からまずは選択してください

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行政書士に依頼することで、倉庫業登録がスムーズに進行し、安心してビジネスを開始することができます。次の章では、この記事の総括を行います。

倉庫業登録 まとめ

倉庫業は、物流チェーンの重要な一環として、その役割は非常に大きいです。しかし、倉庫業を営むためには、国土交通大臣へ登録が必要であり、その取得には複雑な手続きが伴います。

この記事では、倉庫業の定義や許可要件、登録手続きの詳細について説明しました。

行政書士のサポートを受けることで、許可取得の手続きがスムーズに進行し、申請者の負担が軽減されます。専門知識を活用し、書類作成から提出、申請後のフォローアップまでを一括でサポートします。

倉庫業の登録を検討している方は、行政書士の支援を受けることで、安心して手続きを進めることができるでしょう。倉庫業登録の重要性を理解し、適切な手続きを踏むことで、事業の成功に繋げてください。

行政書士による登録申請の代行サービスを是非ご利用ください。

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動画でかんたん解説: 倉庫業登録

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