許可を受けた建設業者は毎年の決算を所管庁に届ける「 建設業決算変更届 」をしなければなりません。入札参加される建設業者にとっては、経営状況分析申請、経営事項審査の前提となる手続です。
期日管理も含めて、建設業許可申請に習熟した行政書士に申請を委託するメリットがあります。
建設業決算変更届 申請代行を承ります。
建設業決算変更届 の提出とは
建設業者は毎年、決算変更届を提出しなければなりません。建設業法で定められた許可業者の義務です。
決算変更届 というと違和感はありますが、毎年度の決算報告を所管庁に届出するということです。
ただ、【毎事業年度経過後4月以内】という期限を超過すると罰則もありますので、ご注意ください。
例えば、3月末決算の会社であれば、5月末には決算書を作成して確定申告をしており、7月末までには、建設業決算変更届を提出しなければなりません。余裕があるようですが、工事経歴書を整備したり、事業税の納税証明書を取得していたりで、時間が無くなってしまうこともあるでしょう。
第11条第2項 許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第6条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後4月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
第6条 前条の許可申請書には、国土交通省令の定めるところにより、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 工事経歴書
二 直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面
三 使用人数を記載した書面
四 許可を受けようとする者及び法定代理人が第八条各号に掲げる欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面
五 次条第一号及び第二号に掲げる基準を満たしていることを証する書面
六 前各号に掲げる書面以外の書類で国土交通省令で定めるもの
2 許可の更新を受けようとする者は、前項の規定にかかわらず、同項第一号から第三号までに掲げる書類を添付することを要しない。
建設業決算変更届 申請代行を承ります。
建設業決算変更届 に必要な書類は
建設業法だけでは 決算変更届 に際して、何を提出すればいいのか詳細にはわかりません。
具体的に東京都が求める書類は以下の通りです。
- 工事経歴書
- 工事施工金額
- 貸借対照表及び損益計算書
- 株主資本等変動計算書及び注記表
- 事業報告書
- 附属明細表
- 事業税納付済額 証明書
- 使用人数 (変更がなければ、不要)
- 定款 (変更がなければ、不要)
- 健康保険等の加入状況 (変更がなければ、不要)
税務申告をされている税理士さんで完結できない部分もあります。
建設業許可申請にとどまらず、決算変更届についても幣事務所でサポートさせていただきます。
上にあげました 工事経歴書 使用人数 は建設会社にて作成していただくわけですが、 書き方 がわからずお困りの会社さま、担当者さまもいらっしゃいます。 工事経歴書 書き方 、使用人数 留意点をまとめます。
建設業決算変更届 における 工事経歴書 書き方
工事経歴書は建設工事の業種ごとに作成
工事経歴書は、建設工事の業種ごとに作成します。
売上ゼロの許可業種であれば、売上ゼロの旨を記載してください。
事業年度に完成した建設工事、および、完成していない建設工事を請負代金の額の大きい順に記載します。
「注文者」・「工事名」の記入に際しては、個人の氏名が特定されることのないよう十分に留意すること。
「配置技術者」の欄は、完成工事について、主任技術者、または、監理技術者の氏名を記載。
「請負代金の額」の欄は、共同企業体として行つた工事については、共同企業体全体の請負代金の額に出資の割合を乗じた額、または、分担した工事額を記載。
工事進行基準を採用している場合には、完成工事高を括弧書で付記。
たとえば、請負代金1200万の工事で200万は前期に入金が終わっているといった場合は、
請負代金1,000万で、完成工事高として(1,200万円)と書くことになります。
そうしておかないと決算書と数字が合わなくなります。
記載する工事は金額の大きい順に
記載する工事は、対象期間における金額の大きい完成工事から順に上から記載するのが原則です。
ただし、経営事項審査を受ける場合には 工事経歴書書き方 に注意が必要です。
経営事項審査を受ける場合
審査前に決算変更届を必ず提出しますが、その提出書類の中にこの工事経歴書も含まれますので、必ず正しいルール通りに記入する必要があります。
① 完成した元請工事の記入 まずは完成した元請工事についてのみ記入していきます。ただし全ての元請工事を記入する必要はなく、完成した元請工事の請負代金の合計の7割を超える所までを、請負金額の大きい順に記入します。この時、7割を超えるまでに500万円(一式は1500万円)未満の軽微な工事を10 件記入すればそこまでで記入はOKです。また、7割を超えるまでに記入した工事の請負代金の合計が1,000億円を超えた場合もそこまででOKです(この場合は②を飛ばして③まで進みます)。
② 未記入の元請工事及び下請工事の記入 上記①に続けて記入するのは、まだ①で書いていない完成した元請工事と、完成した下請工事を金額の大きい順に記入していきます。全ての完成工事の請負代金の合計の7割を超える所までを記入します。また先ほど同様、7割を超えるまでに、500万円(一式は1500万円)未満の軽微な工事を10 件(この10件には①で記入した軽微な工事も含める)記入、もしくは、記入した工事の請負代金合計が1,000億円を超えた場合もそこまででOKです。
③ 未完成工事の記入 未完成工事があれば、請負代金の額が大きい順に記入します。未完成工事がない場合は②までで記入は完了です。 非常にややこしいですが、簡単に言うと、まずは完成した元請工事だけを大きい順に記入し、元請工事全体の7割以上を見える化する、それが完了したら、今度は完成した下請け工事も含めて大きい順に完成工事を並べて全体の7割以上を見える化する、という流れです。
配置技術者の配置方法に注意
工事経歴書では、配置技術者の配置方法が建設業法違反とならないように気を付ける必要があります。
建設業許可業者は、請け負った現場に配置技術者(主任技術者または監理技術者)を必ず配置しなければなりません。配置技術者に専任技術者がなる事は、原則出来ません(一人親方は例外あり)。
専任を求められる現場の場合は、配置技術者は他の現場の配置技術者と兼任することは出来ません。配置技術者は、建設業法上様々な制限が設けられています。工事経歴書で、ルールを逸脱した配置技術者の配置がされていると指摘を受ける事になります。
普段から正しく配置技術者に関するルールを理解し、正しい配置を行うことが重要です。
建設業 決算変更届の工事経歴書 をダウンロード
東京都など所管庁のホームページなどで 建設業 決算変更届 の 工事経歴書 はダウンロードできます。
自社の工事経歴を整理して記入しましょう。
工事経歴書(国土交通省サイトからダウンロードできます)
心配になられる方も多いのですが、
経審に関係が無ければ、工事の契約書・注文書は提出する必要ありません。
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建設業決算変更届 における 使用人数 留意点
使用人数 の表 作成
建設業の許可の申請に際して 使用人数 の表を作成します。
決算変更届の際にも、 使用人数 の変化があれば作成して提出します。
使用人数の表には、建設業に従事している使用人数を、営業所ごとに記載します。
使用人は、役員、職員を問わず雇用期間を特に限定することなく雇用された者です。
(申請者が法人の場合は常勤の役員を、個人の場合はその事業主を含む。)
その他の技術関係使用人は、専任技術者ではないが、技術関係の業務に従事している者の数を記載します。
使用人数に派遣社員は含むのか?
国税庁ホームページで派遣社員が従業員にカウントするべきか示しています。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hyoka/06/02.htm
以下ご参照ください。
従業員の範囲
【照会要旨】
財産評価基本通達178(取引相場のない株式の評価上の区分)による会社規模区分の判定において、次の者については、いずれの会社の従業員としてカウントするのでしょうか。1 出向中の者
2 人材派遣会社より派遣されている者
【回答要旨】
雇用関係や勤務実態を確認して判定します。(理由)
1 出向中の者
従業員数基準における従業員とは、原則として、評価会社との雇用契約に基づき使用される個人で賃金が支払われる者をいいますから、例えば、出向元との雇用関係が解消され、出向先で雇用されている出向者の場合には、出向先の従業員としてカウントすることとなります。2 人材派遣会社より派遣されている者
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)」(労働者派遣法)による労働者派遣事業における派遣元事業所と派遣労働者の関係は、次の2とおりがあります。(1) 通常は労働者派遣の対象となる者が派遣元事業所に登録されるのみで、派遣される期間に限り、派遣元事業所と登録者の間で雇用契約が締結され賃金が支払われるケース
(2) 労働者派遣の対象となる者が派遣元事業所との雇用契約関係に基づく従業員(社員)であり、派遣の有無にかかわらず、派遣元事業所から賃金が支払われるケース
これに基づけば、財産評価基本通達178(取引相場のない株式の評価上の区分)(2)の従業員数基準の適用については、上記1に該当する個人は派遣元事業所の「継続勤務従業員」以外の従業員となり、2に該当する個人は「継続勤務従業員」となり、いずれも派遣元事業所の従業員としてカウントすることになります。3 派遣先事業所における従業員数基準の適用
財産評価基本通達178(2)の「評価会社に勤務していた従業員」とは、評価会社において使用される個人(評価会社内の使用者の指揮命令を受けて労働に従事するという実態をもつ個人をいいます。)で、評価会社から賃金を支払われる者(無償の奉仕作業に従事している者以外の者をいいます。)をいいますが、現在における労働力の確保は、リストラ、人件費などの管理コスト削減のため、正社員の雇用のみで対応するのではなく、臨時、パートタイマー、アルバイターの採用など多様化しており、派遣労働者の受入れもその一環であると認められ、実質的に派遣先における従業員と認めても差し支えないと考えられること等から、派遣労働者を受け入れている評価会社における従業員数基準の適用については、受け入れた派遣労働者の勤務実態に応じて継続勤務従業員とそれ以外の従業員に区分した上で判定しても差し支えありません。
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建設業決算変更届 を出さないとどうなる?
建設業決算変更届 の提出期限は、前述の通り、【毎事業年度経過後4月以内】と建設業法 第11条第2項 に定められています。
期限内に、 建設業決算変更届 を出しておかないと、建設業許可の更新や業種の追加ができないことになります。
もちろん、多少の遅れについては、所管庁に説明して理解していただくことになります。そうした、説明書面の作成も行政書士として代行いたします。
専技 ・ 経管 の変更もご一緒に
常勤役員等・保険の加入状況・専任技術者・令3条の使用人 の変更は、変更後2週間以内に届出が必要です。とはいえ、届出を忘れていることもあるでしょう。毎年の 建設業決算変更届 の際に、これらの変更届も提出しましょう。
人的要件も簡単に整理しておきます。
【経管】経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があることとは?
常勤役員等のうち一人が経営業務の管理責任者であること、もしくは、建設業に関する経営体制を有していることが必要です。
常勤役員等のうち一人が経営業務の管理責任者であることとは?
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(執行役員など)として経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(2. ではない者) として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
※従前の許可業種ごとの経験年数の規定がなくなりました。
建設業に関する経営体制を有していることとは?
aおよびbをともに設置し建設業に関する経営体制を有していること
a 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者
建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、この期間と合わせて(建設業以外の会社も含めて)5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位(組織図で直下にある管理職)にある者としての経験を有する者
建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、この期間と合わせて (建設業以外の会社も含めて) 5年以上役員等としての経験を有する者
b aを直接に補佐する者で、財務管理・労務管理・業務運営の業務経験 (それぞれについて、建設業に関して5年以上、申請会社での業務経験を有する者。常勤役員等と兼ねることはできません。)を有する者
【専技】専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていることとは?
専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていることろは、全ての営業所に、下のいずれかに該当する専任の技術者がいること。
(一般建設業許可の場合) 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者
- 高校指定学科卒業後5年以上、大学指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者
- 10年以上の実務経験を有する者 (学歴・資格を問わない。)
- 上記と同等以上の知識・技術・技能を有すると認められた者(国家資格など)
建設業決算変更届 申請代行を承ります。
建設業許可 は代理人として 行政書士 への依頼が必要?
建設業許可申請は、建設業法の要件に即して多くの書類を集めなければなりません。書類作成のプロである行政書士に依頼するのが一般的です。
建設業許可の裏ワザ や 抜け道 があるというわけでもありませんが、
行政書士にまかせておけば、行政からの問い合わせ対応も代理しますのでスムーズです。
建設業決算変更届 を 行政書士 に依頼するメリット
建設業決算変更届 も行政書士に依頼しましょう。
従業員が建設業法の届出や申請をすることももちろん可能です。建設業決算変更届の書式は所管庁のホームページからダウンロードして、作成できます。会社内にて作成することは出来ます。しかしながら、年に一度の事務作業となれば、ご担当者にははじめての事務処理となったり、法律改正への対応ができていないこともあるでしょう。そのため、ゼロから調べるのに時間がかかったり、所管庁から修正対応を求められることもあるでしょう。
当事務所では、多くの建設会社様からご依頼を受けており、毎月のように建設業決算変更届を受任しておりますから、迅速・正確な対応ができます。
行政書士にとって決算変更届は難しい業務ではありません。
申請ALL.comでは、行政書士報酬もリーズナブルです。
自社内でなれない事務作業をするのには、手間ひまがかかります。そうしたコストを鑑みると、行政書士に依頼するのがおすすめです。5年に一度の建設業許可更新申請の時だけでなく、毎年の依頼をすることで、建設業に強い行政書士をおかかえにしましょう。
参考記事: 建設業許可