酒類小売業免許 取得への道

酒類小売業免許 その他
酒類小売業免許

酒類の販売を考えたとき、酒税法の規定に基づき、1. 販売場ごとに、2. その販売場の所在地の所轄税務署長から 酒類小売業免許 を受ける必要があります。

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酒類小売業免許 とは

酒類小売業免許 について、本ページをご覧のみなさんのイメージが湧きやすいように、ここからは、適宜、コンビニエンスストア(以下、コンビニと略記する)の事例を織り交ぜながら示したいと思います。

  1. 販売場とは、みなさんの身近にあるコンビニのお酒コーナーのことです。みなさんのご承知の通り、コンビニは街のいたるところにあります。免許は、それぞれのお店単位で免許を受ける必要があります。
  2. それぞれのお店を所轄する税務署長宛に、免許申請をする必要があります。

酒類に関する免許には、お酒を造る(製造)のための免許や、お店に卸売するための免許があります。今回は、消費者や飲食店などに販売するための、一般酒類小売業免許(以下、酒類免許と略記する)に絞ってお話します。

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一般 酒類小売業免許 取得要件

 酒類免許を取るためには、申請者、販売場それぞれが免許を取るための条件が満たされていることを書面等で証明する必要があります。この条件のことを、要件といいます。

 コンビニの場合、①コンビニオーナーに免許を与えても良いかという要件と、②売場の要件を同時に満たす必要があります。実は、この要件を証明するための準備が面倒です。

申請者の要件

まずは、ヒトに関する要件です。これは、的確なコンビニオーナーなのかを把握する目的です。以降の詳細な内容は、国税庁発行の酒類免許の手引に記載されています。

参考:国税庁「 一般酒類小売業免許申請の手引 」

一言で言うと、法律に違反していません、犯罪歴がないですなどを満たすことです。

ここで読まれた方は、書類だけだろう、だったら大丈夫と軽く思わないでください。ここで申請したことに偽りがあった場合、申請中の場合は拒否処分(申請は不可と言われてしまう)、免許取得後の場合は、取消処分(申請は最初からなかったことに)となります。再度申請する場合は、取消処分後3年経つまではできません。ビジネスチャンスを失うことは間違いありません。よって、要件の確認は慎重にすべきです。私たち行政書士も、要件を満たしているかどうかは、ここから先に出てくる内容を含めて、慎重に確認させていただいています。

次に、カネに関する要件です。これは、コンビニ経営がうまくいっているのかということを把握する目的です。税金はしっかり納めていますか(国税庁管轄の免許ですから、当たり前ですよね)、赤字は想定の範囲内ですよねということを満たすかです。コンビニに限らず、事業者は毎年財務諸表と呼ばれる決算書を作っているはずです。その書面を提出します。過去3年分の財務諸表が必要になります。

カネの要件には、他にもあります。収支計画を提出する必要があります。これは、申請する免許によって、どのくらいの売上、営業利益を見通しているのかを報告します。大手のコンビニであれば、本部と連携して売上シミュレーションをしているはずです。その結果に基づき、酒類を販売することを検討し、計画しているはずです。

しかし、個人店ではどうでしょうか。顧問税理士はアドバイスしてくれますか?コンビニ全体の売上、顧客のニーズが分かっているのは、オーナー自身だと思います。しかし、酒類販売する前までのことです。収支計画は、今後どの程度売上が期待できるのかを示す必要があります。オーナーだけで考えるのが難しい場合は、積極的に外部の助言を受けることをお勧めします。

また、資金の調達方法についても申請時に報告する必要があります。お酒を販売するためには、事前に販売予定商品を仕入れる必要があります。冷蔵庫などの設備も必要になります。その資金の捻出先はどうなっているのかを報告します。ここで勘の良いみなさんなら分かると思います。融資を受ける場合は、融資証明書、自己資金で賄うなら残高証明を添付しなければいけません。

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販売場の要件

コンビニエンスストア
コンビニエンスストア

ここは、場所に関する要件です。これは不適切な場所で販売しないことを証明する必要があります。具体的には、コンビニ周辺の地図、コンビニ内のどのエリアで販売するか、販売エリアには、お酒の販売場所であることを示す掲示し(POPを貼るなど)、未成年者には販売しないことを示す必要があります。また、販売エリアがあるところに、飲食スペースがないかなども要件になっています。みなさんもコンビニに立ち寄った際、お酒売場に目を向けてください。POPが貼っているはずです。

販売場の図面を出す際には留意点があります。例えば、ビル内のコンビニの場合、ビルの全体図(何階建てで、何階にコンビニ配置するのか)、ビルの全体フロア図(フロア内のどこにコンビニがあるのか)も合わせて提出が必要になります。実は、手引には細かく記載されていません。これがローカルルールなのです。

販売場については、もう一つ留意すべき事項があります。それは、販売場のある建物が自己所有なのか、他者所有(賃貸)なのかです。後者の場合は特に注意が必要です。それは、建物オーナーからの承諾を得る必要があります。コンビニオーナーが不動産会社経由で建物を賃貸している場合、建物は、別の所有者がいる場合も多々あります。真の所有者(オーナー)からの承諾が必要なのです。建物オーナー側にしてみれば、テナントで入っている賃借人に協力的な方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。

所有者側から、酒類販売によって、酔客や、未成年者のたまり場になることを危惧し、承諾が得られないから困っているというご相談もありました。このケースの場合は、所有者と賃借人(テナント)間で迷惑行為の排除策を列挙する旨の条文を付記し、契約書を締結する支援をいたしました。もちろん、そんな面倒な契約を結ばないといけないならと、申請自体をあきらめる方もいるでしょう。。このような理由だけで、ビジネスチャンスを失うことはもったいないと思います。免許取得の専門家として、そのあたりも支援いたします。

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一般酒類小売業免許 の審査はどんなことをするのか?

所轄税務署に申請書類一式を提出すると、税務署では、①書類の内容に不備がないか、②申請者、販売場が要件を満たしているかを審査します。必要に応じて、書類の内容について、税務署の酒類指導官(酒類免許専門の職員)から、数回問い合わせの電話があります。場合によっては、販売予定の場所への視察があると言われています。問い合わせは、平日日中に電話であります。現地視察も平日日中です。問い合わせ回数の目安、視察の有無は明らかではありません。これは、所轄税務署の裁量に委ねられています。

みなさんが気になるのは、審査の期間はどのくらいなのかだと思います。この期間のことを標準処理期間と言われています。

国税庁からの案内では、書類提出後2か月を目安にと示されています。クリーニング店のように、特急料金を払ったら時間が短縮するということはありません。また、あくまでも目安なので、審査時期が繁忙期の場合は長くなることもあります。具体的には、税務署が忙しい時期、みなさんも分かりますよね。それは、確定申告の時期です。よって、3月中に免許が欲しい、審査期間は2か月だから、年始早々に申請書を提出すれば良いでしょうと考えた場合、繁忙期と重なり、審査がずれ込むリスクがあります。この場合は、申請時期を前倒すことも考慮する必要があります。

一般酒類小売業免許 の審査が終わったら

審査が終わると、所轄税務署より審査が終わった旨の連絡と同時に、免許交付のための登録免許税納付の通知が届きます。要は、登録料を払ってくださいということです。納付期日までに支払い、税務署にその旨を回答すると、晴れて免許が交付されます。

免許の交付式というものは、申請した所轄税務署によって異なります。通常は郵送で対応というところが多いと聞いていますが、ある地域では、原則は税務署で手渡しというところもあるようです。

酒類小売業免許 取得後に気をつけるべきこと

酒類小売業免許 で販売できる相手はだれか?

酒類小売業免許で販売できる先は、消費者、料飲店営業者、菓子等製造業者です。

コンビニで例えるなら、来店客です。来店客の中には、自身の飲食店でお酒が足りなくなったオーナーもいるでしょう。コンビニで補給することはOKになります。ただし、お酒を販売中のコンビニが、別のコンビニから仕入れて販売することはNGです(あり得ない話でしょうが)。

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酒税法のお話

酒類小売業免許は、酒税法に基づく免許になります。そのため、酒類販売業者は、酒税法を遵守する必要があります。違反した場合は罰金に処されます。守るべきことは、以下の通りです。

まずは 記帳義務
コンビニをはじめ店舗オーナーなら当たり前なことですが、仕入れた数や価格、販売した数や価格を記録します。さすがに誰に販売したかの記録義務はありません。当然ですが、コンビニでは無理ですよね。

次は 申告義務
これは1年間に販売した数を税務署に申告する必要があります。また、販売場所が変わった、管理者が変わったなどは、適宜税務署へ申告する必要があります。

酒類業組合法のお話

酒類小売業者は、酒税法に加えて、酒類業組合法も順守しなければなりません。具体的には、次の通りです。

まずは、販売エリアごとに管理者を選任する必要があります。お酒の販売責任者です。お酒の販売ですから、20歳以上である必要があります。また、雇用契約がある必要もあります。細かい要件はありますが、正規雇用された従業員である必要があります。この管理者になるためには、定期的に研修を受講する必要があります。免許申請の際にも、管理者の選任、研修証の写しの提出が必要です。免許申請を考える場合は、誰を管理者とするか、研修をいつまでに受けるかを考える必要があります。

次に掲示義務です。これは、管理者名と研修受講実績を販売エリアに掲示する必要があります。コンビニのレジ近くや、販売エリア周辺に掲示されています。機会があったら探してみてください。

社会的要請への対応

酒類小売業者は、売上目的でやみくもにお酒を販売することはできません。みなさんもご承知の通り、20歳未満には販売できません。そのために、販売エリアへの掲示、レジでの年齢確認などを行っています。これは、法令順守の観点もありますが、小売業者自身を守る目的でもあると思います。酒類免許を考えるみなさんは、来店客の利便性に加えて、社会的要請にも応えなければいけないことを認識してほしいと思います。

酒類小売業免許 取得を考えたら

酒類小売業
酒類小売業

ここまで読んでいただいたみなさんは、酒類免許なら自分でできるかなと思っていらっしゃる方も多いと思います。酒類小売業免許は、国税庁発行の手引に従って書類を作成し、必要な関係書類を準備さえできれば、申請はできます。しかし、物事には原則と例外があるように、手引には記載されていない、ローカルルールがあることも事実です。これは、所轄税務署に裁量が与えられているように、免許を交付する税務署が必要に応じて、審査のために、追加書類の提出や説明が必要と考えているからです。決して、国税庁が手引に記載することに手を抜いているわけではありません。申請者それぞれの独自事情に基づいているものだと理解ください。

行政書士は、官公署(各省庁などお役所全般)に提出する書類の作成、内容の相談、提出する手続きを代理することを業としています。つまり、法律で認められた官公署への申請代理人です。いわば、書類作成の専門家です。

コンビニオーナーが数店舗開業する場合、一度申請を経験すれば、その後の開業時はスムーズに進むかもしれません。ただ、申請書類の作成ノウハウを覚えることはオーナーにとっての本業ですか?オーナーにとっての本業は、店舗での売れ筋商品の把握、接客、従業員管理などいっぱいあると思います。申請後も、税務署からの問合せ、追加書類の提出など、オーナーにとって煩雑な手続きも起こりえます。その手のことは、専門家である行政書士に任せた方が良いと思います。

では、行政書士でもどのような事務所に相談すれば良いかということになります。

まずは、酒類免許の申請経験があるかどうかです。経験がなくても、行政書士であれば、上述の通り、官公署への申請代理人ですから、一定の業務経験さえあれば、たとえ酒類小売業免許の申請は未経験であったとしても、対応は可能です。

次は、申請者のビジネスに共感してくれるパートナーであるかどうかです。私は、最も重要なポイントだと思っていますし、普段の依頼においても大切にしていることです。酒類免許の例に挙げると、大手のコンビニであれば、レジ自体に年齢確認表示の機能は、容易に導入することは可能なはずです。それは、レジの標準機能が年齢確認機能を実装していて、お酒の販売を始めると同時に、年齢確認表示をさせる仕様になっているからです。しかし、地元密着型のコンビニだったらどうでしょうか。お酒の販売のために、レジを入れ替えることは容易でしょうか。その代替案を所轄税務署へ確認しながら、レジ周辺のレイアウト変更、POP表示などを、オーナー目線で支援できる行政書士でなければいけないと思っています。ただ、所轄税務署からの指摘です、あとはオーナーさん考えてくださいなら、伝書鳩と変わりがないと思うからです。お酒の免許というきっかけかもしれませんが、私は、そのご縁を大切にしたいと考えています。

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一般酒類小売業免許 はどんな方が申請するか

ここまで少しお堅い話も多かったので、コンビニ以外にどのような業種で、酒販免許を取得するかという事例をお話します。

一つ目は、買取リサイクル店の事例です。最近、街中にもリサイクルショップが増えてきています。リサイクルショップ自体は、古物商許可という免許が必要になります。それとは別に酒類を販売する場合は、酒販免許が必要になります。店頭ではなく、通信販売で提供する場合は、今回割愛しました通信販売酒類小売業免許が別途必要になります。ただし、ここで注意すべきことがあります。それは販売するお酒の種類です。国産メーカーのものは販売することはできません。輸入酒のみです。理由は割愛します。

参考記事:古物商許可

二つ目は、飲食店です。最近、クラフトビールを製造しているメーカーが、飲食店を併設していることが増えてきました。飲食時の酒類提供は、飲食店営業許可という保健所による許可で十分です。飲食した後に、味が気に入ったからお土産物として、自宅に持ち帰りたいといったケースです。この場合は、酒販免許が必要になります。切り分けは、瓶の口を開封するか否かです。飲食時は、瓶の口を開封し、グラスに注ぎます。つまりその場での消費になります。この場合は、飲食店営業許可が必要です。一方、持ち帰りの場合は、瓶の口は開けません。この場合は、酒販免許が必要です。両方を満たすときに限り、酒販免許が必要になります。

最後は、最近の流行であるデリバリーサービスです。デリバリーの場合も酒販免許が必要になります。私の推測ですが、ピザ専門店は、酒販免許を取得している。デリバリーサービス業者を介して、料理を提供している飲食店は、酒販免許は取得していない、だから酒類提供できないのではないでしょうか。特に、デリバリーの売上が伸びている飲食店のみなさん、免許取得をご検討ください。他店はやっていないかもしれません。ただし、留意すべき点があります。それは、飲食店がデリバリーサービスの一環でお酒を提供する、そのための免許を取得する場合、販売スペースと飲食スペースが区切られているかなど、販売場要件は定められています。ここを立証するのは多少複雑になります。この点については、専門家にご相談されることをお勧めします。

酒類小売業免許
酒類小売業免許

一般酒類小売業免許 発展編

酒類免許というテーマでここまでお話してきました。また、できるだけイメージが湧きやすいように、コンビニを例にお話してきました。これは、酒類免許の申請者の多くがコンビニオーナーだからという理由もあります。最後に、発展編として、私のアイデアを共有させてください。

お酒の販売をきっかけに、本業が拡大できないかというお話です。

お土産物、記念品という視点とお酒とのコラボを考えたとき、自社の宣伝につながるようなラベルが貼られたグッズを販売するのはいかがでしょうか。最初は見た目からかもしれませんが、味にこだわってみるというのはいかがでしょうか。それがSNSで拡散されたらどうでしょうか。本業の売上向上のきっかけにつながらないでしょうか。酒造メーカーのみなさんだって、お土産物で納品していた自社製品が、納品先1つで宣伝になったらうれしくありませんか。

行政書士として、経営者のみなさんと新事業を企画立案することもございます。志の高い経営者の方にこそ行政書士をご活用をいただきたいです。お酒の免許に限らず、新事業立ち上げにご興味、関心がございましたら、一度みなさんの夢をお聞かせください。

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動画かんたん解説 酒類小売業免許

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