新事業進出促進補助金 公募開始|事業再構築補助金との違いと活用のポイント

新事業進出促進補助金 補助金_資金調達
新事業進出促進補助金

中小企業が新たな挑戦をするための資金調達手段として、国の補助金制度は非常に有効です。2024年度まで実施されてきた「事業再構築補助金」は、コロナ禍の経済環境を背景に多くの企業の再出発を支援してきました。令和7年度から新たに登場したのが「 新事業進出促進補助金 」です。この制度は、単なる業態転換や設備更新ではなく、“新市場への進出”を強く意識した制度設計がなされており、中小企業が新たな顧客層・市場に踏み出すための支援が目的とされています。

本記事では、補助金の概要と要件、事業再構築補助金との違い、申請時の注意点をわかりやすく解説します。補助金の活用を検討中の方は、ぜひ最後までご覧いただき、チャットボットによる自動診断ツールもご活用ください。

新事業進出促進補助金 とは?

「新事業進出促進補助金」は、令和7年度から新たにスタートした中小企業支援制度です。既存事業にとどまらず、新たな製品・サービスを開発し、これまでにアプローチしていなかった顧客層や市場に進出する取り組みを支援する目的で創設されました。

この補助金の大きな特徴は、「新たな製品」「新たな市場」「売上構成比の変化」という3つの明確な要件が定められており、既存事業の延長線ではない“本当の意味での新規事業”が対象になる点です。

補助対象となるのは、日本国内に本店または主たる事業所を持つ中小企業者・中堅企業者。補助上限額は従業員数に応じて750万円~7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)で、補助率は原則1/2です。

対象経費には、機械装置費、建物費、システム構築費、広告宣伝費、クラウドサービス利用料、外注費などが含まれます。交付決定日から最大14ヶ月間(採択発表日から最大16ヶ月間)で補助事業を完了する必要があります。

この制度は、単なる設備更新では採択されません。新しい事業で売上の一定割合を確保することが求められるため、実行力のある事業計画の策定がカギとなります。

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新事業進出促進補助金 申請要件と「新事業進出」の定義

「新事業進出促進補助金」では、制度の目的が明確である分、申請において求められる要件も非常に具体的です。特に重要なのが、「新事業進出」という概念に関する3つの明確な基準です。これらの基準をすべて満たしていなければ、補助対象事業として認められません。

製品等の新規性要件

新たに製造または提供しようとする製品やサービスが、自社にとってこれまでに扱ったことのないものである必要があります。既存製品の改良や製造方法の変更、過去に一度販売した商品などはこの要件を満たしません。

市場の新規性要件

新製品やサービスの提供先が、これまで対象としていなかった市場や顧客層であることが求められます。例えば、これまで法人向けに販売していた企業が個人向けのサービスを開始する、国内市場から海外市場へ展開するなどが該当します。単なる地域の拡大(例:東京から大阪へ)では「新市場」とは認められません。

新事業売上高要件

事業計画期間(通常3〜5年)の最終年度において、新たに取り組む製品やサービスの売上高または付加価値額が、応募時の総売上高の10%以上、または総付加価値額の15%以上を占めることが見込まれる必要があります。より大規模な企業の場合は、対象事業部門の売上・付加価値ベースでの判定も可能です。


これら3つの要件は、「新事業進出指針」に明確に定義されており、申請前の自己判定が極めて重要です。要件に該当しないケースとしては、既存市場での販売量の増加、製品スペックの微調整、商圏の拡大のみ、などが挙げられています。

客観的に“新規性”を説明できるかどうかが、事業計画の成否を分けるポイントとなります。

新事業進出促進補助金 対象者

補助対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者等

創業後1年に満たない事業者は対象外。最低1期分の決算書の提出が必要です。
応募申請時点で従業員数が0名の事業者は対象となりません。

中小企業者 とは

事業再構築補助金の募集要領によると、中小企業の定義は下図の通りです。

特定事業者 とは

常勤従業員数が下表の数字以下となる会社又は個人のうち、資本金の額又は出資の総額が10億円未満であるもの。

参照: 中小企業新事業進出補助金 | 中小企業基盤整備機構

新事業進出促進補助金 事業計画書

新事業進出促進補助金 事業計画書 作成にあたっては、以下の項目を記載する必要があります。

1) 新規事業の概要

①事業計画名(30字以内)

②事業計画の概要
補助事業の具体的な取組内容を、新製品等の詳細及び想定する顧客層が分かるように、「誰に」「何を」「どのように」を明確にし、具体的かつ網羅的に記載。(500字以内)

2) 自社の現在地を知る

①申請者の概要
自社の概要(設立年、沿革、体制、経営理念等)を記載(300字以内)

②既存事業の内容
現在行っている事業を、以下の内容を具体的かつ網羅的にすべて記載。
・事業の名称(20字以内)
・主な製品/サービスの名称(50字以内)
・主な製品/サービスの内容(300字以内)
・市場(顧客層)(300字以内)
・単価や売上高(300字以内)
・実施体制(300字以内)
・事業実施場所(300字以内)
・既存事業の業種(日本標準産業分類から選択)

3) 自社の未来を描く

補助事業の取組内容

①新事業進出指針への該当性
既存製品及び新製品の内容を記載した上で過去に製造した実績がない製品の製造等に取り組むことが分かるよう、それらの相違点を具体的かつ網羅的に記載。既存市場(顧客)と新市場(顧客)の内容を記載した上で、既存事業と新規事業の顧客層が異なることが分かるよう、それらの相違点を具体的かつ網羅的に記載。

  • 主な製品/サービスの名称(300字以内)
  • 主な製品/サービスの内容(300字以内)
  • 市場(顧客層)(300字以内)
  • 単価や売上高(300字以内)
  • (既存事業と異なる場合のみ)実施体制(300字以内)
  • (既存事業と異なる場合のみ)事業実施場所(300字以内)
  • (既存事業と異なる場合のみ)既存事業の業種(日本標準産業分類から選択)

現状分析

①SWOT分析(S・W・O・T各300文字以内)

②新規事業の必要性
SWOT分析を踏まえて、なぜ自社が新規事業を実施する必要性があるのか記載。(400文字以内)

【新市場性と高付加価値性は選択制】新規事業の新市場性・高付加価値性

新市場性または高付加価値性のどちらかを選択

新市場性

①新規事業のジャンル・分野
「新市場・高付加価値事業の考え方」を参考に、新規事業のジャンル・分野を端的に記載。(15文字以内)

②新規事業の新市場性
前項で特定した新規事業のジャンル・分野が、社会における一般的な普及度や認知度が低いものであることを、それらを裏付ける客観的なデータ・統計等を示しながら記載。(500文字以内)

高付加価値性

①新規事業のジャンル・分野
「新市場・高付加価値事業の考え方」を参考に、新規事業のジャンル・分野を端的に記載。(15文字以内)

②新規事業のジャンル・分野における一般的な付加価値や相場価格
前項で特定した新規事業のジャンル・分野における一般的な付加価値や相場価格を、それらを裏付ける客観的なデータ/統計等を示しながら記載。(300文字以内)

③補助事業における高付加価値化の概要
前項で明らかにした新規事業のジャンル・分野における一般的な付加価値や相場価格と比較して、補助事業で製造する新製品がどのように高水準の高付加価値化・高価格化を図るのか、高付加価値化・高価格化の源泉となる自社の価値・強みの分析とともに記載。(400文字以内)

新規事業の将来性・参入可能性

①新規事業の将来性
補助事業で取り組む新規事業が、継続的に売上・利益を確保できるだけの規模を有していることや、成長が見込まれる市場であることをその根拠とともに記載。(400文字以内)

②許認可・資格等の要否
新規事業の実施に当たり、許認可・資格等の要否を選択。

③許認可・資格等の取得方法
前項で「要」を選択した場合、取得する必要のある許認可・資格等及びその取得方法を記載。(200文字内)

④想定される参入障壁と参入障壁をクリアするための取組み
許認可・資格等以外の想定される参入障壁を、・技術力、ノウハウ、社内体制 ・規模の経済性、・製品の差別化 ・設備投資費用、資金調達、・顧客のスイッチングコスト ・法律や制度面による制約、といった要素の中から明らかにし、それらをクリアするための取組み及び根拠を以下の通りに記載。

⑤潜在顧客リスト
潜在顧客名(任意)、想定される潜在顧客を分かる範囲で具体的に記載。(200文字以内)

競合分析

①競合分析の考え方と競合の選定方法
競合分析において、どのように競合を精査し、選定するのか記載。(400文字以内)

②競合他社の概要

  • 競合他社企業の名称(150文字以内)
  • 事業の概要(100文字以内)
  • 強み(100文字以内)
  • 弱み(100文字以内)
  • 製品等の価格(100文字以内)

③差別化の可能性
競合分析を実施した上で顧客ニーズをもとに競合他社と比較し、どのような点で自社が優位であるのか、差別化できるのか記載。(400文字以内)

事業の実現可能性

①事業の事業化に向けた課題
補助事業の事業化に向けた中長期での課題と、その解決方法を記載。
課題(50文字以内)
解決方法/代替案(300文字以内)

②事業化までの遂行方法
事業化に至るまでの遂行方法を記載。(300文字以内)

③スケジュール
本補助事業の実施スケジュールについて、可能な限り詳細なスケジュールを記載。

④事業実施体制の概要
補助事業の実施体制の概要(人材、事務処理能力、資金等)を記載。(300文字以内)

⑤補助事業を実施するための体制(人材の確保)
補助事業に従事する想定従業員数と当該従業員に求める能力(資格・スキル・経験)を記載。従業員をどのように確保するか、職種別に記載。(300文字以内)

⑥【該当する場合のみ】補助事業を実施するための体制(社外リソース)
補助事業を実施するために社外リソースを活用する場合、社外リソースの企業名/関与する人数/強み/自社との役割分担などの詳細を記載。(300文字以内)

公的補助の必要性

自社単独で容易に事業を実施できるものではなく、国からの補助が必要である理由を記載。(300文字以内)

採択されるためのポイント

「新事業進出促進補助金」は、要件が明確な分、制度の理解不足や要件不適合により不採択となるケースも少なくありません。採択されるためには、制度の趣旨に合致した事業計画を立て、形式面・内容面の双方で丁寧な準備が求められます。

加点項目を意識する

採択審査では、以下のような加点項目が設けられています。これらを満たすことで、同じ評価点の中でも優先される可能性が高まります。

  • パートナーシップ構築宣言加点
    「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにおいて宣言を公表している事業者
  • くるみん加点
  • えるぼし加点
  • アトツギ甲子園加点
  • 健康経営優良法人加点
  • 技術情報管理認証制度加点
  • 成長加速マッチングサービス活用
     中小企業庁が提供するビジネスマッチング等のサービスを利用し、その成果について事業計画書内で説明すること。
  • 再生事業者加点
  • 特定事業者加点

これらは単なる「申請書の飾り」ではなく、補助金の趣旨と合致した経営努力の証明です。加点は採択率に大きく影響します。

採択されやすい事業計画とは?

補助金審査において、事業計画書の出来が採択可否を大きく左右します。以下のような点が審査の観点となります。

  • なぜその市場に進出するのか:市場調査データや顧客ニーズの明示
  • 自社の強みとの整合性:リソースや技術をどう活かすか
  • 売上・利益計画の現実性:3~5年後に新事業が構成比10%以上となる根拠
  • 補助対象経費との整合性:設備導入・広告等が売上向上にどうつながるか

文章表現の巧拙よりも、構成の論理性と裏付け資料の有無が重要です。見栄えよりも中身のある申請書を意識しましょう。

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行政書士による申請サポートとチャットボット活用

「新事業進出促進補助金」は、要件がシンプルでわかりやすい反面、制度への理解不足や申請書の整合性欠如が理由で不採択となるケースも多く見られます。また、GビズIDや各種加点資料、事業主行動計画など、実務的な準備も多岐にわたります。

こうした背景から、申請にあたっては、補助金制度に精通した行政書士にサポートを依頼することが非常に有効です。私たち行政書士は、企業の状況や資金調達計画を丁寧にヒアリングし、制度に適合した事業計画の作成を支援します。また、必要な証憑書類の確認や、金融機関との連携、加点要件への対応も的確に行います。

さらに、当サイトでは、チャットボットを活用した「補助金診断ツール」を導入しています。御社の業種・従業員数・資金調達の有無など、簡単な情報を入力するだけで、

  • 適用可能な補助金の種類
  • 想定される行政書士の代行費用

を即時にご確認いただけます。

「どの補助金が最適かわからない」「申請準備を進める時間がない」という方は、ぜひ以下のチャットボットからご相談ください。

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行政書士が 新事業進出促進補助金 申請をサポート

チャットボットで 新事業進出促進補助金 診断

「新事業進出促進補助金」は、単なる業態転換や既存製品の強化ではなく、中小企業が“まったく新しい市場”にチャレンジすることを後押しする制度です。補助金額も最大9,000万円(賃上げ特例適用時)と非常に魅力的であり、設備投資や人材確保、広報活動など幅広い経費が対象になります。

一方で、「製品の新規性」「市場の新規性」「売上構成比の変化」という3つの要件をすべて満たす必要があり、自社にとって何が本当に“新規”なのかを見極める力と説明力が不可欠です。

この補助金は、成長を目指す中小企業にとって大きな一歩となる制度です。しかし、準備には時間と戦略が必要です。まずは、チャットボットで貴社に最適な補助金かどうかを診断してみませんか?

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補助金の活用で、御社の未来を切り拓きましょう。

行政書士として、 新事業進出促進補助金 にとどまらず、補助金全般の申請をサポートしてまいります。

新事業進出促進補助金 の代理申請

補助金の電子申請システムであるjGrantsでは行政書士の代理申請の仕組みが設定されたのですが、新事業進出促進補助金では、外部専門家による申請に対して厳しい見方がされています。公募要領の記載は、下記の通りです。

申請者は事業計画の作成、実行及び成果目標の達成に責任を持って取り組んでいただく必要があります。検討やブラッシュアップのために認定経営革新等支援機関を含む外部支援者等の助言を受けることは差し支えございませんが、必ず申請者自身で作成してください。
作成自体を申請者以外が行うことは認められず、発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消となります。

新事業進出促進補助金 公募要領

入力情報については、必ず、申請者自身がその内容を理解し、確認の上、申請者自身が申請してください。同一パソコンから大量に申請がある場合などは、個別に事情を伺う場合があります。正当な事由なく、申請者自身による申請と認められない場合には、当該申請は不採択となります。なお、補助金交付候補者の採択後に、申請者自身による申請ではないことが発覚した場合は、採択取消又は交付決定取消となります。

新事業進出促進補助金 公募要領

事業再構築補助金 第11回公募においては、第三者が申請したとして不採択となったとの話がいくつか聞こえてきました。

行政書士が 事業再構築補助金 申請をサポート

代理申請が本来業務の行政書士として、この状況は受け入れがたいものです。しかしながら、お客様のご事情に寄り添う形で、引き続き補助金申請をサポートしてまいります。

ぜひご相談ください。

右下のチャットにてご相談ください。

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新事業進出促進補助金
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動画でかんたん解説: 新事業進出促進補助金

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