IT導入補助金2023 正式名称は「 令和4年度第二次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業 」 どんな補助金なのかこちらでまとめます。
IT導入補助金2023 とは?
正式名称は
令和4年度第二次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業
2023年8月からは、事務局が、凸版印刷株式会社に変わりました。
今までは、 一般社団法人サービスデザイン推進協議会 が事務局でした。何かと話題の法人で、電通、パソナなどが設立に関わっています。
様々な経営課題を解決するためのITツール導入を支援するための補助金です。
ITツールありきの補助制度なので、対象のITツールなのかどうか要確認。つまり、ITベンダー(IT導入支援事業者)側からの提案で IT導入補助金2023 の活用の検討が始まります。
そういったわけで、ITベンダーの補助金活用支援を行政書士の立場で行うこともございます。
IT導入補助金2023 補助対象者
補助対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者等。
個人事業主はもちろん、次のような法人格の企業からの申請実績があります。
株式会社 有限会社 合同会社 合名会社 合資会社 特定非営利活動法人(NPO 法人) 企業組合 協業組合 事業協同組合 協同組合連合会 商工組合 商店街振興組合 商店街振興組合連合会 生活衛生同業組合 生活衛生同業小組合 一般社団法人 一般財団法人 学校法人 公益社団法人 公益財団法人 農事組合法人 労働組合 農業協同組合 農業協同組合連合会 漁業協同組合 漁業協同組合連合会 森林組合 森林組合連合会 商工会 商工会連合会 商工会議所 都道府県職業能力開発協会 土地改良事業団連合会 等(順不同)
IT導入支援事業者 とは
IT導入支援事業者とは、ITツールの導入により生産性の向上を目指す中小企業・小規模事業者等と共に事業を実施するパートナーとして、中小企業・小規模事業者等に対するITツールの説明、導入、運用方法の相談等のサポートおよび、補助金の交付申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのサポートを行う事業者。
事前に事務局に登録申請を行い、採択されている必要があります。
IT導入支援事業者の登録については、法人が単独で登録要件を満たしている場合は、法人(単独)で登録申請を行うことができます。
IT導入支援事業者の登録申請に必要な書類は以下の通りです。
- 履歴事項全部証明書(発行から 3ヶ月以内のもの)
- 法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
- 2期分の決算情報
ITツールとは
ITツールとは、IT導入支援事業者が提供し、事務局に事前登録された中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上に資するソフトウェア・オプション・役務・ハードウェアの総称。
※ 一部のハードウェアは事前登録不要。
ITツールの登録は随時申請が行えます。
ITツール登録については、 ITツール登録要領 をご確認ください。
IT導入補助金2023 要件
IT導入補助金2023 の申請要件はなかなか細かいです。
ITツールの要件
申請者は、ITツールを選択し交付申請を行う。選択するITツールは“顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス、業種固有プロセス“のプロセスを1種類以上含んでいる必要がある。
ITツールとその分類
大分類Ⅰ「ソフトウェア」、大分類Ⅱ「オプション」、大分類Ⅲ「役務」の3つのいずれかに分類される。大分類の中でさらにカテゴリーに分類される。
大分類Ⅰ
カテゴリー1 ソフトウェア
大分類Ⅱ
カテゴリー2 機能拡張
カテゴリー3 データ連携ツール
カテゴリー4 セキュリティ
大分類Ⅲ
カテゴリー5 導入コンサルティング
カテゴリー6 導入設定・マニュアル作成・導入研修
カテゴリー7 保守サポート
補助対象経費
補助対象経費は、ITツールの導入費用。
IT導入支援事業者への相談を行い、自社の生産性向上に寄与する適切なITツールを選択し、申請するもの。
ソフトウェアにおける月額・年額で使用料金が定められている形態の製品は最大2年分の費用が補助対象となる。保守費用は申請するソフトウェアの利用範囲内で、最大2年分の費用が補助対象となる。
※ ただし、オプションに対する保守費用は最大 1 年分が補助対象。
IT導入補助金2023 申請類型
IT導入補助金2023の申請類型は、通常枠(A・B類型) デジタル化基盤導入類型 複数社連携IT導入類型 セキュリティ対策推進枠 商流一括インボイス対応類型 に分かれまして、それぞれ補助金上限額や補助率に違いがあります。
通常枠(A類型)
業務のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入。
機能要件 1プロセス以上 4プロセス以上
補助金額
5万円以上150万円未満
補助率
1/2
通常枠(B類型)
業務のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入。
機能要件 4プロセス以上
補助金額
150万円以上450万円以下
補助率
1/2
デジタル化基盤導入類型 複数社連携IT導入類型
会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに補助対象を特化。
複数の中小企業・小規模事業者のみなさまが連携してITツールを導入し、生産性の向上を図る取り組みにも対応。
ソフトウェア等
補助金額
(下限なし)~50万円以下
補助率
3/4
補助金額
50万円超350万円以下
補助率
2/3
ハードウェア
補助金額
30万円以下
補助率
1/2
セキュリティ対策推進枠
サイバーインシデントを防止するセキュリティ対策強化支援。
補助金額
5万円以上100万円以下
補助率
1/2
商流一括インボイス対応類型
インボイス制度に対応し、受発注機能を有するITツール導入を支援。
取引関係における受注者である中小企業・小規模事業者等に対して当該ITツールを無償で利用させる場合に補助。
補助金額
(下限なし)~350万円以下
補助率
中小企業・小規模事業者等が申請する場合の補助率:2/3
その他の事業者等が申請する場合の補助率:1/2
IT導入補助金2023 要件
交付申請の流れ
- IT導入支援事業者・ITツールの選定
- gBizIDプライムの取得
- IT導入支援事業者による「申請マイページ」招待
- IT導入支援事業者による事業計画、ITツール情報の入力・申請内容確認
- ITツール情報の確認・事業計画の確認・宣誓
- 申請者から事務局へ交付申請提出(交付申請完了)
交付申請に必要な書類
法人の場合
- 履歴事項全部証明書(発行から 3ヶ月以内のもの)
- 法人税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
個人事業主の場合
- 運転免許証、運転経歴証明書。もしくは住民票
- 所得税の納税証明書(「その1」もしくは「その2」)
- 確定申告書の控え
IT導入補助金2023 の事業計画書の審査
審査における加点項目
加点対象となる取り組み等は以下の通りです。
- 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得していること
- 交付申請時点で地域未来牽引企業に選定されており、地域未来牽引企業としての「目標」を経済産業省に提出していること
- ITツールとしてクラウド製品を選定していること
- ITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定していること
- ITツールとしてインボイス制度対応製品を選定していること
- A類型の申請者であって、以下の要件を全て満たす事業計画を策定し、従業員に表明していること ・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
・事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする - 「健康経営優良法人2023」に認定された事業者であること
- 「地域 DX 促進活動支援事業」における支援コミュニティ・コンソーシアムから支援を受けた事業者であること
- 介護保険法に基づくサービスを提供する事業所で、介護職員等特定処遇改善加算を取得しているものを運営している法人。
- 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定(えるぼし 1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者
- 従業員数 100人以下であって、「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
- 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者
- 従業員数100人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
審査における減点項目
- IT導入補助金2022において、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)で交付決定を受けた事業者
- IT導入補助金2023において、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型及び商流一括インボイス対応類型)で申請を行っているもしくは交付決定を受けた事業者
留意事項
- 登録する担当者携帯電話番号は、他者の交付申請やIT導入支援事業者の各種電話番号として使用されていないこと。
- 交付決定前に契約、発注、納品、支払い等を行った申請は、補助金を受けることが出来ない。
- 支払いの事実に関する客観性の担保のため、IT導入支援事業者への支払いは原則銀行振込または、クレジットカード 1 回払いのみとすること。また、支払い元口座は、必ず補助事業者の口座とし、支払い先口座は、必ずIT導入支援事業者の口座であることを必須とする。なお、補助事業者名義ではない口座より支払っている場合、補助金を受けることは出来ない。
- 本事業におけるITツールの販売金額に占める補助事業者の自己負担額を減額または無償とするような販売方法(形式・時期の如何を問わず、補助事業者に実質的に還元を行うもの)あるいは、一部の利害関係者に不当な利益が配賦されるような行為については、本事業全体を通じて補助金交付の目的に反する行為として取り扱うこととしている。事務局は、上記のような行為を確認した場合には当該申請について、交付規程に基づき、その交付決定を取消すとともに、その申請を担当するIT導入支援事業者に対して、IT導入支援事業者・ITツールの登録取消処分を行うことができる。
IT導入補助金 過去の採択結果
「令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業」のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の4次締切分についての採択結果を参考まで。
【申請件数及び交付決定件数】
通常枠 | セキュリティ対策推進枠 | デジタル化基盤導入枠 | ||||
A類型 | B類型 | デジタル化基盤導入類型 | ||||
通常枠(A・B類型)1次締切 セキュリティ対策推進枠1次締切 デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型)1次締切 交付決定日:2023年5月31日 | 申請数 | 1,871 | 44 | 25 | 2,744 | |
交付決定数 | 1,363 | 28 | 20 | 1,735 | ||
デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型)2次締切 交付決定日:2023年6月21日 | 申請数 | – | – | – | 3,078 | |
交付決定数 | – | – | – | 2,160 | ||
通常枠(A・B類型)2次締切 セキュリティ対策推進枠2次締切 デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型)3次締切 交付決定日:2023年7月11日 | 申請数 | 2,987 | 77 | 37 | 4,146 | |
交付決定数 | 2,162 | 43 | 32 | 3,117 | ||
デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型)4次締切 交付決定日:2023年8月1日 | 申請数 | – | – | – | 3,577 | |
交付決定数 | – | – | – | 2,796 |
IT導入補助金2023公式サイトより引用
GビズID
GビズIDこの言葉をご存じでしょうか?
経済産業省(中小企業庁)が提供するものづくり補助金や事業再構築補助金などの補助金申請に際して、求められます。正式名称は「 GビズIDプライムアカウント 」ですが、 GビズID もしくは gBizID と称します。
取得に2~3週間かかりますので、補助金申請に際して、GビズIDの取得がボトルネックになることもあります。
印鑑証明書を送る程度の手続ですから、すぐに目的が無くてもGビズIDを取得されることをおすすめします。補助金申請だけでなく、社会保険手続にも使えるなど使途も広がっています。
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ぜひご相談ください。
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