住宅確保要配慮者への居住支援を行う法人が、東京都で公的な認定や国の補助金活用を目指す場合、居住支援法人の指定申請が必要です。
対象はNPO法人、一般社団・財団法人、社会福祉法人、および居住支援を目的とする会社(株式会社・合同会社等)です。
主な指定要件として、直近決算で債務超過でないことや、法人・担当者ともに1年以上の居住支援実績が求められます。
個人事業主は指定の対象外であり、申請にあたっては事前に東京都への相談が必要です。
うちの会社は居住支援法人になれるの?
行政書士 岡高志が育てたAIが、24時間いつでも無料でお答えします。御社が進める事業についてお話しください。
画面右下のチャットを押すと、すぐに相談を始められます。
居住支援法人の指定が必要な事業者・不要な事業者
住宅確保要配慮者(高齢者、障害者、低額所得者、外国人等)に対し、入居相談、見守り、家賃債務保証、残置物処理等の支援業務を行う法人は指定申請の対象となります。東京都の指定を受けることで、都のWebサイトで公表され、国の補助金を活用できるメリットがあります。
指定を受けずに任意の居住支援活動を行うこと自体は自由ですが、公的な指定法人としての業務や補助金交付は受けられません。
対象・対象外の比較表
| 区分 | 対象となる事業者 | 対象外となる事業者 |
|---|---|---|
| 法人形態 | NPO法人、一般社団法人、一般財団法人、社会福祉法人、居住支援を目的とする会社(株式会社・合同会社等) | 個人事業主(法人格を持たない個人) |
| 業務目的 | 要配慮者の入居相談、生活支援(見守り等)、家賃債務保証、残置物処理等を行う法人 | 居住支援業務を行わない事業者、宗教活動や政治活動を主目的とする法人 |
東京都における居住支援法人の指定要件
指定を受けるには、定款、財務状況、支援実績、組織体制のすべてで審査基準を満たす必要があります。財務面では直近決算で債務超過(純資産マイナス)でないことが求められます。さらに、法人および担当役員・職員の双方に、1年以上の居住支援の実績や従事歴が必要です。
東京都の指定要件一覧
| 項目 | 指定要件(内容) | 該当規定・基準 |
|---|---|---|
| 定款の記載 | 目的欄に要配慮者居住支援業務の実施が明記されていること | 東京都指定基準 |
| 財務状況 | 直近の財産目録・貸借対照表で債務超過でないこと(純資産がプラス) | 東京都指定基準 |
| 法人の実績 | 法人として少なくとも1年以上、居住支援業務を適切に実施した実績(年4件以上の事例等)があること | 東京都指定基準 |
| 人員の実績 | 担当役員および担当職員に1年以上の居住支援業務の従事歴があること | 東京都指定基準 |
| 組織体制 | 支援業務を適切に実施できる人員体制・組織図および個人情報取扱規程があること | 東京都指定基準 |
| 欠格要件 | 破産復権前、刑罰・法違反後2年未経過、指定取消後2年未経過、暴力団員等に該当しないこと | セーフティネット法第59条第2項 |
居住支援法人の指定申請における必要書類
指定申請にあたっては、東京都指定の申請書(様式1)や誓約書(様式2)のほか、多数の添附資料を作成します。定款や登記事項証明書に加え、1年以上の実績を証明する資料を整える必要があります。書類作成後、東京都の担当窓口へ郵送で提出します。
必要書類一覧表
| 書類名 | 様式・区分 | 提出・作成上の注意点 |
|---|---|---|
| 住宅確保要配慮者居住支援法人指定申請書 | 様式1(必須) | 開始年月日は「指定年月日以降」と記載 |
| 定款 | 任意書式(必須) | 居住支援業務の実施目的が含まれていること |
| 登記事項証明書 | 官公署発行(必須) | 発行後3か月以内のもの |
| 前事業年度の財産目録及び貸借対照表 | 任意書式(必須) | 直近決算で債務超過でないことを確認 |
| 意思決定を証する書類 | 任意書式(必須) | 理事会や取締役会の議事録などを提出 |
| 支援業務の実施に関する計画書 | 任意書式(必須) | 業務内容、対象者、組織図、料金等を明記 |
| 役員の氏名及び略歴を記載した書類 | 任意書式(必須) | 誓約書(様式2)の役員数・氏名と一致させる |
| 現に行っている業務の概要書 | 任意書式(必須) | パンフレット等既存の法人資料を提出 |
| 法人の活動実績が分かる書類 | 任意書式(必須) | 1年以上の実績集計表および代表的事例(年4件以上) |
| 役員・職員の従事歴が分かる書類 | 任意書式(必須) | 担当者の従事歴・期間(1年以上)を明記 |
| 欠格事項に該当しない誓約書 | 様式2(必須) | 全役員の氏名を記載して提出 |
| 個人情報取扱規程 | 任意書式(必須) | 責任者の明示と安全管理措置を記載 |
| 行政連携実績・区市町村長推薦書 | 任意提出 | 連携実績がある場合に区市町村長から取得 |
居住支援法人の指定申請にかかる費用と補助金
東京都に対する指定申請の手数料は、不要。
一方で、指定を受けた法人は国の補助金制度を活用できる場合があります。活動内容に応じて定額補助が交付され、事業費の支援を受けられます。
申請の流れと審査期間
東京都での手続は、事前相談から始まります。書類を郵送したのち、都庁でのヒアリングを経て審査が行われます。審査に適合すると指定通知が送付され、東京都の公式ホームページで公表されます。
申請手続の流れと期間一覧表
| 順序 | 手続ステップ | 提出・実施方法 | 期間・期限 |
|---|---|---|---|
| 1 | 事前相談 | 東京都担当窓口へ事前相談 | 申請書作成前 |
| 2 | 申請書類の提出 | 必要書類を揃えて東京都担当窓口へ郵送 | 随時 |
| 3 | ヒアリング・補正 | 都庁へ来庁し申請内容のヒアリング・書類補正 | 指定前 |
| 4 | 審査・指定 | 基準審査を経て指定通知送付・都Web公開 | 審査日数は資料に記載なし |
指定取得後の手続(年度報告・債務保証・残置物処理等)
指定取得後は、毎事業年度の計画認可と報告手続が義務付けられます。家賃債務保証業務や残置物処理等業務を自ら行う場合は、あらかじめ業務規程を定め、知事の認可を受ける必要があります。業務帳簿や関係書類についても5年間の保存義務が課されます。
指定取得後の手続一覧表
| 手続の種類 | 提出書類・内容 | 提出・申請期限 | 提出方法 |
|---|---|---|---|
| 事業認可申請 | 様式26、事業計画書、収支予算書 | 毎事業年度の開始前(初年度は指定後遅滞なく) | 郵送 |
| 事業報告 | 様式32、事業報告書、収支決算書、財産目録、貸借対照表 | 事業年度経過後3か月以内 | メール |
| 債務保証業務規程認可 | 様式14、債務保証業務規程(9項目順序通り) | 債務保証業務の開始前 | 郵送 |
| 残置物処理等業務規程認可 | 様式15、残置物処理等業務規程 | 残置物処理等業務の開始前 | 郵送 |
| 帳簿・書類の保存 | 業務帳簿・契約関連書類 | 契約終了日から5年間保存 | 法人保管 |
| 名称等の変更届 | 様式8 | 変更する日の2週間前まで | 郵送 |
よくある不許可・補正の原因
審査での不備や遅延は、財務要件の未達や実績不足、書類の不一致によって生じます。
直近決算で純資産がマイナス(債務超過)の場合、原則として指定を受けられません。
また、実績において個人の実績しか記載されていない場合や、1年未満の期間しか証明できない場合も補正・不許可の原因となります。
不許可・補正の主な原因と対策一覧表
| 不許可・補正の原因 | 具体的な不備内容 | 事前対策 |
|---|---|---|
| 財務状況の不備 | 直近決算の純資産がマイナス(債務超過) | 決算を改善し債務超過を解消してから申請 |
| 実績要件の不足 | 法人・担当者の活動実績が1年未満、個人実績のみ | 法人として1年以上の実績(年4件以上)を蓄積 |
| 定款の記載不足 | 目的欄に居住支援業務が記載されていない | 定款変更を行い、法人の事業目的に追加 |
| 役員書類の不一致 | 誓約書(様式2)と略歴書の役員数・氏名が不一致 | 提出書類間で役員情報に相違がないか照合 |
| 利益相反リスク | 自社所有・管理物件入居者からの残置物処理受託など | 業務規程で自社物件等を対象外とする規定を整備 |
【CTA】
居住支援法人の指定申請について専門家に依頼できる?
行政書士 岡高志が育てたAIが、24時間いつでも無料でお答えします。居住支援法人の指定についてご説明します。
画面右下のチャットを押すと、すぐに相談を始められます。
実務メモ
申請をご検討の際は、事前に東京都の担当窓口へ事前相談を行ってください。
申請書(様式1)の「支援業務を開始しようとする年月日」には「指定年月日以降」と記載します。
添付する登記事項証明書は、発行後3か月以内のものを用意する必要があります。
よくある質問
株式会社などの営利企業でも居住支援法人の指定を受けられますか?
はい、受けられます。定款の事業目的に住宅確保要配慮者の居住支援業務が明記されていれば、株式会社や合同会社でも指定対象となります。ただし、他事業との兼業によって居住支援業務の公正さに支障が出ない組織体制が必要です。
申請から指定を受けるまでの審査期間はどれくらいですか?
居住支援法人の指定審査期間に関する具体的な日数は、示されていません。申請書類の郵送提出後、都庁でのヒアリングや審査を経て指定通知が送付されます。事前に相談や書類作成を円滑に進めることが重要です。
直近の決算が債務超過なのですが指定を受けることはできますか?
原則として、直近の貸借対照表で純資産の合計がマイナス(債務超過)の状態では指定を受けられません。健全な財務状況が確認できることが指定基準とされているためです。
決算を改善して債務超過を解消した上で申請する必要があります。
代表者個人の居住支援実績を法人の実績として申請できますか?
いいえ、個人の活動実績は法人の実績として認められません。指定を受けるには、法人として少なくとも1年以上の間、適切に支援業務を実施した実績が必要です。年4件以上の代表的な事例を含む実績集計表などを提出します。
指定を受けるとどのようなメリットや補助金がありますか?
東京都の公式Webサイトで指定法人として公表され、社会的な信頼性が高まります。また、国の補助金制度(定額補助、上限額700万円等)を活用して活動資金の支援を受けられる場合があります。
居住支援法人になれば、必ず家賃債務保証業務も行わなければなりませんか?
いいえ、すべての業務を同時に行う義務はありません。
居住支援法人の業務には入居相談、生活支援、家賃債務保証、残置物処理等がありますが、法人が実施する業務を選択して申請できます。債務保証を行う場合は別途「債務保証業務規程」の認可が必要です。
新たに追加された「残置物処理等業務」とはどのような業務ですか?
賃借人である単身高齢者等からの生前委託に基づき、死亡時に賃貸借契約の解除や室内の動産(残置物)の保管・処分を行う業務です。実施にあたっては「残置物処理等業務規程」を定め、知事の認可を受ける必要があります。
生前の不用品処分(生前整理)や相続人からの依頼による遺品整理は対象外です。
残置物処理等業務を行う場合、どんな注意点がありますか?
自社が所有・管理・保証する物件の入居者から受託すると、利益相反により契約が無効となるリスクがあります。そのため、自社物件等を対象外とするなどの配慮が必要です。また、廃棄物の処分は廃棄物処理法の許可業者へ委託するなど関係法令を遵守します。
指定を受けた後に毎年提出しなければならない書類は何ですか?
毎事業年度の開始前に「事業計画書・収支予算書」を提出して知事の認可を受けます。また、毎事業年度終了後3か月以内に「事業報告書・収支決算書・財産目録・貸借対照表」を東京都へ提出する必要があります。
居住支援法人の運用が不安、相談に乗ってくれる?
行政書士 岡高志が育てたAIが、24時間いつでも無料でお答えします。居住支援の状況についてお話しください。
画面右下のチャットを押すと、すぐに相談を始められます。

根拠一覧
| 項目・要件・数字 | 根拠となる資料名 | 該当ページ・箇所・条文番号 |
|---|---|---|
| 居住支援法人の指定対象法人種別(NPO、社団・財団、社会福祉法人、会社等) | 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 | 第59条第1項 |
| 欠格要件(破産復権前、刑罰後2年、指定取消後2年、暴力団員等) | 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 | 第59条第2項 |
| 法人・役員・職員の実績要件(それぞれ1年以上) | 東京都住宅確保要配慮者居住支援法人指定基準 | 2 経理的・技術的基礎について |
| 財務要件(直近決算で債務超過でないこと) | 東京都住宅確保要配慮者居住支援法人指定基準 | 2 経理的・技術的基礎について |
| 申請書類一覧(様式1、定款、登記事項証明書、事業計画書等) | 居住支援法人指定における申請書類と留意事項 | 1 申請書類について |
| 登記事項証明書の発行期限(3か月以内) | 居住支援法人指定における申請書類と留意事項 | 2 留意事項について (3) |
| 実績集計表の事例記載要件(年4件以上) | 居住支援法人指定における申請書類と留意事項 | 2 留意事項について (9) |
| 開始年月日の記載方法(「指定年月日以降」) | 居住支援法人指定における申請書類と留意事項 | 2 留意事項について (1) |
| 東京都への指定申請手数料 | 資料に記載なし | 資料に記載なし |
| 指定申請の審査日数(期間) | 資料に記載なし | 資料に記載なし |
| 国の補助金(補助上限700万円等、R7平均210万円) | 001913481.pdf | 居住支援法人制度の概要 |
| 事業計画・収支予算の提出期限(毎事業年度開始前、初年度遅滞なく) | 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 / 居住支援法人指定後の手続きにおける申請書類と留意事項 | 第65条第1項 / 1 事業計画及び収支予算の認可申請 |
| 事業報告・決算書の提出期限(事業年度経過後3か月以内) | 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 / 居住支援法人指定後の手続きにおける申請書類と留意事項 | 第65条第2項 / 2 事業報告及び収支決算書の報告 |
| 変更届の提出期限(変更日の2週間前まで) | 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 | 第61条第2項 |
| 帳簿・書類の保存期間(契約終了日から5年間) | 居住支援法人指定後の手続きにおける申請書類と留意事項 | 5 帳簿の備え付け及び保存、6 書類の保存 |
| 残置物処理等業務の開始日(令和7年10月1日施行) | 001897889.pdf / 001997853.pdf | 手引きの目的 / 施行状況 |
| 残置物処理の対象者目安(原則60歳以上の単身高齢者等) | 残置物処理等業務規程の作成・認可の手引き(001897889.pdf) | 第3 2.委託者の資格 |
| 非指定残置物の廃棄までの保管期間(3か月以上) | 残置物処理等業務規程の作成・認可の手引き(001897889.pdf) | 第3 3-3.問2 |
